2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380085
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
生方 信 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60168739)
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Keywords | 3T3-L1細胞 / 分化誘導阻害 / ミコフェノール酸 / プロアントシアニジン |
Research Abstract |
プロアントシアニジンの系統的合成研究を行い、これらの物質の3T3-L1細胞のインスリンによる分化誘導促進活性を、系統的に調べている。また、3T3-L1細胞の分化誘導阻害活性物質として、再発見したミコフェノール酸の作用に関して研究を行った。これまで、ミコフェノール酸はIMPデヒドロゲナーゼ(IMPDH)を阻害することで、多様な生物活性を発現すると信じられてきた。ところが、本化合物の脂肪前駆細胞分化誘導阻害活性は、最大100mMのグアノシン類(グアノシン、XMP,GMP,GTP)を添加しても、その影響を受けなかった。今回、IMPDHの阻害剤としても知られているオキザノシンが3T3-L1細胞の脂肪細胞への分化誘導を阻害するかどうか検討を行った。オキザノシンは3T3-L1細胞のインスリンによる分化誘導に影響を与えなかった。このことはミコフェノール酸の脂肪細胞分化誘導阻害活性はIMPDHを介していないことを強く示唆している。脂肪細胞への分化誘導に必須と考えられているPPARγに着目し、ミコフェノール酸は、チアゾリジンジオン系薬剤により活性化されたPPARγの発現を抑制することをレポーターアッセイにより明らかにした。しかし、このPPARγに対する抑制活性は細胞増殖活性の抑制を差し引くと比較的弱いものになり、実際にPPARγがミコフェノール酸の真の標的因子であるかを確かめる必要がでてきた。そこで、ミコフェノール酸並びにその誘導体とPPARγとの直接的な相互作用をビアコアを用いて検討した。対称として、PPARγと直接相互作用し、脂肪前駆細胞の分化誘導を誘起するチアゾリジンジオン誘導体(ciglitazone, troglitazone)を用いて比較した。その結果、ミコフェノール酸は確かにPPARγに結合することが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)