2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380085
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
生方 信 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60168739)
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Keywords | 3T3-L1細胞 / 脂肪細胞分化誘導 / PPARγ / PPARα / ミコフェノール酸 |
Research Abstract |
昨年度までに、ミコフェノール酸がPPARγのリガンドとなりうることを明らかにした。今年度はミコフェノール酸誘導体の中に親化合物を凌ぐリガンド効果を持つものや、PPARαに対してリガンド効果を持つ誘導体を見出した。これらの研究に加え、新しい評価系の構築を目指した。従来、3T3-L1前駆脂肪細胞の分化誘導の評価は、Oil Red O染色による、脂肪球の量を目視により評価するものであった。そのため、構造-活性相関に於ける評価は定性的にならざるを得ない場合が多く、特に活性がやや弱い物質の評価は極めて困難であった。そこで、本年度は、脂肪細胞分化誘導の脂肪量の定量を目標に評価系の新たな構築をすることとした。検討事項は、3T3-L1細胞、3T3-F442細胞の培養・分化誘導条件の再検討、Triglyceride E testによる脂肪量の定量、ゲノムDNA量の定量、PPARγの発現確認・GPDH活性測定である。まず、3T3-L1細胞の分化誘導培養の最適条件の検討では、今まで脂肪細胞培養では一般的に用いられていなかったpH緩衝液HEPES(pH7.4)を添加することにより、安定に培養できることを見出した。さらに、細胞培養プレートのコーティングの検討では、poly-L-lysine及びcollagenでダブルコートしたものは剥離が少なく、3T3-L1細胞の安定した分化誘導が可能となった。分化度評価方法の確立では、これまでに主にOil Red O染色による形態的な顕微鏡観察によって評価されていた分化度をTriglyceride量の定量、DNA量の定量、Western blottingによるPPARγの検出などによって数値化することで、客観的な脂肪細胞の分化度評価法を確立することができた。本評価法を用いて、キノコ抽出物の脂肪細胞分化誘導阻害物質の探索を行った。
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Research Products
(13 results)