2004 Fiscal Year Annual Research Report
食餌由来脂溶性異物の生体作用と内因性防御機構の解析
Project/Area Number |
15380091
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内田 浩二 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40203533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森光 康次郎 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (00244533)
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Keywords | 脂溶性異物 / 脂質過酸化物 / アルデヒド / 解毒酵素 / モノクローナル抗体 / 免疫科学 / 野菜 / 植物生理活性物質 |
Research Abstract |
酸化ストレスが炎症反応、さらには炎症反応を伴う様々な疾病においてその発症及び進行にどのように関与するのかを明らかにすることを目的に、炎症関連分子シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の発現誘導を指標にした過酸化脂質の同定、及び同定された活性種によるCOX-2誘導の分子機構解析を行った。ヒト動脈硬化巣においてCOX-2はマクロファージに高発現がみられ、また代表的な過酸化脂質である4-ヒドロキシ-2-ノネナール(HNE)と局在が一致していていることが碓認された。この事実を受け、マクロファージ細胞株RAW264.7を用い、数種の過酸化脂質について誘導物質をスクリーニングしたところ、HNEのみに特異的な誘導活性が観察された。HNEによるCOX-2誘導は、動物(マウス)を用いたHNE投与実験でも碓認され、腹腔マクロファージや肝臓などの各種臓器における高発現が観察された。一方、HNEによるCOX-2誘導機構の解析を行った結果、リン酸化シグナリング機構として、p38 MAPK経路及びプロテインキナーゼαが関与していること、また前者がCOX-2 mRNAの安定化に関与し、後者がCOX-2遺伝子発現の亢進に関わることが示された。興味深いことに、受容体刺激によるCOX-2発現に重要な役割を果たすNF-κBの活性化は全く観察されなかった。以上の結果より、HNEがマクロファージCOX-2発現を誘導する炎症分子であることが初めて示された。
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Research Products
(1 results)