2003 Fiscal Year Annual Research Report
心身ストレスのバイオマーカーの検索と食品成分による情動制御に関する研究
Project/Area Number |
15380095
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
横越 英彦 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70109320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新保 真理 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (20300139)
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Keywords | テアニン / ブナハリタケ / カカオマス / ドーパミン / マイクロダイアリシス / スーパーフュージョン / 神経伝達物質 / 情動解析 |
Research Abstract |
1 動物実験: (1)食品成分と脳内神経伝達物質代謝変動機構の解析、および放出制御(横越) 食品成分として、緑茶中に含まれるテアニン、ブナハリダケ抽出物、カカオマスを用いた。 (1)テアニン:テアニンがドーパミン作動性ニューロンに作用し、ドーパミン放出を促進するので、その機構を詳細に解明した。脳微小透析法やスーパーフュージョン法で解析し、また、各種のアンタゴニストやアゴニストを併用し、シナプスにおける受容体の分析をすることにより、テアニンの作用機序を明らかにした。その結果、グリシンレセプターを介する新たな機構を見いだした。 (2)ブナハリタケ抽出物:ブナハリタケ抽出エキスについて、脳内神経伝達物質放出に及ぼす影響を解析した。また、ブナハリタケの香り成分である、フェニルペンタン誘導体についても同様の作用を観察した。 (3)カカオマス:カカオマスによる脳内物質の変動を観察し、詳細に、脳内神経伝達物質代謝変動機構を解析した。 (2)食品成分の情動制御と機構解析(横越) テアニンに関しては、これまでに、ヒトの脳波への影響や、精神活動(POMS)、また、月経前症候群(PMS)の改善効果を見いだしてきた。しかし、詳細な解析をするためには、ヒトを対象としては十分に行えないので、ラットを用いた情動解析法を確立した。 2 人体実験:食品成分と自律神経系及び情動解析(横越、新保) ヒトを研究対象としているため、大学内の研究倫理委員会の承認を得た。試料は、カカオマスを含むチョコレートで行った。自律神経系により制御されている生体内反応、及び情動について、食品成分が影響を与えるかを検討した。情動の表出としては、情動行動(攻撃、逃避、運動など)、内分泌・免疫系(ストレスホルモン、分泌型IgA)、自律神経機能(血圧、R-R間隔、瞳孔、瞬目など)などがある。今回は、その中で自律神経機能と情動(気分調査:POMS)を解析した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Okuyama, S., Sawasaki, E., Yokogoshi, H.: "Conductor compounds of phenylpentane in Mycoleptonoides sitchisonii mycelium enhance the release of dopamine from rat brain striatum slices."Nutritional Neuroscience. (印刷中). (2004)
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[Publications] Okuyama, S., Terashima, T., Kawamura, Y., Yokogoshi, H.: "Enhancing effect of Mycoleptodonoides aitchisonii on synthesis of nerve growth factor and releasing dopamine in the rat brain"Nutritional Neuroscience. 7. 41-47 (2004)
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[Publications] Chen, W., Matsuda, K., Nishimura, N., Yokogoshi, H.: "The effect of taurine on cholesterol degradation in mice fed a high-cholesterol diet"Life Sci.. 74. 1889-1898 (2004)
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[Publications] Hayasse, K., Tsujioka, K., Yokogoshi, H.: "The quality of dietary protein affects urea synthesis in rats"Amino Acids. 25. 147 (2003)
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[Publications] Nishimura, N., Umeda, C., Oda, H., Yokogoshi, H.: "The effect of taurine on the cholesterol metabolism in rats fed diets supplemented with cholestyramine or high amounts of bile acids."J.Nutr.Sci.Vitaminol.. 49/1. 21-26 (2003)
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[Publications] Kitajima, H., Shiomoto, H., Osada, K., Yokogoshi, H.: "Co-administration of proline and inorganic iron enhance the improvement of behavioral and hematological function of iron-deficient anemic rat"J.Nutr.Sci.Vitaminol.. 49/1. 7-12 (2003)
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[Publications] 横越英彦 編: "脳機能と栄養"幸書房. 395 (2004)