2004 Fiscal Year Annual Research Report
微細土流出による陸域水辺バイオスフェア破壊の予測に基づく保全再生技術原理の構築
Project/Area Number |
15380098
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 孝 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20333635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 弘和 北海道立林業試験場, 森林環境部, 研究職員
井良沢 道也 岩手大学, 農学部, 助教授 (40343024)
柳井 清治 北海道工業大学, 工学部, 教授 (20337009)
菊池 俊一 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10250490)
田中 秀基 独立行政法人土木研究所, 土砂管理研究グループ, 主任研究員 (00391623)
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Keywords | 流域改変 / 微細土流出実態 / 微細土流出メカニズム / 陸域水辺生物相 / 現地観測 / 模型実験 / 微細土流出対策工 / 微細土対策空間整備手法 |
Research Abstract |
流域改変による微細土流から陸域水辺バイオスフェアを保全再生するための技術原理を構築するために、各研究分担者それぞれのフィールドにおいて、個々の研究課題についての研究を継続して実施した。 山田は研究全体の総括と、微細土発生機構を物理的に解明するために、表層せん断試験、流路を用いた侵食試験を行い、粘性土壌表面の侵食速度式(実験式)を作成した。佐藤は、人為攪乱を受けた森林伐採流域,畑地流域において微細土流出は,森林流域に比べて濃度や流出量が高い値を示すこと、土粒子を主体とする無機成分が生物の餌源となる有機成分より高い割合で流出すること、攪乱地からの土砂流出を抑制するため,林内道路において木質チップを用いた濾過施設を設置したところ,微細土に対する濾過効果があることを明らかにした。井良沢は、積雪亜高山帯を流域に含む河川の融雪出水による微細土流出実態を明らかにするために、岩手県八幡平赤川において河川水流出成分の変化に応じて電気伝導度、水温とpHの変化を昨年に引き続き検討した。流出成分の割合は融雪時と降雨時,無降雨時において変化がみられ,融雪時には押し出し流が認められた。柳井は、陸上からの細粒物質(土砂や有機物)の供給量とそれが河川生物に及ぼす影響について調査を行った.とくに河畔林から供給された落ち葉由来の有機物は河川内において細かく分解され,水生昆虫やそれを捕食する魚類にも利用されており,この移動経路を炭素・窒素安定同位体比測定法により定量化した。田中は、微細土砂にバガス(サトウキビの絞りかす)等を混入し、微細土砂に菌類を繁茂させて土粒子同士の物理的緊縛による耐侵食効果について室内試験等行い、一定の耐侵食効果があることを明らかにした。菊池は、水生植物相に影響を及ぼす微細土生産域となり得る斜面崩壊地と地すべり地をとりあげ、その土砂生産実態を検討した。1981年に大規模に崩壊が発生した日高地方を対象に、その変遷実態を把握した。また、樹木年輪のアテ材を用いた地すべり変動履歴解析結果と、地すべり土塊の水文・地質構造の関連を検討した。
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Research Products
(6 results)