2006 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロフィブリル化植物繊維・生分解性プラスチック複合成型物の射出成型
Project/Area Number |
15380120
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80192392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 秀一 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (00135609)
杉山 淳司 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (40183842)
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Keywords | 環境材料 / バイオマス / ナノ材料 / 射出成形 / ナノファイバー |
Research Abstract |
研究代表者らは、クラフトパルプをさらに解繊して得られるミクロフィブリル化植物繊維(MFC)を原料にした成型材料の製造を試みてきた。その過程で、ミクロフィブリル化パルプに生分解性樹脂(ポリ乳酸繊維)を30%複合したところ、熱可塑性が発現し加熱成型が容易となると共に270MPaという、高強度を有する成形材料が得られた。この成果を踏まえ、本研究では、MFCと生分解性樹脂との複合による高強度成型物(グリーンコンポジット)を射出成型で製造するための基礎技術を確立する。 昨年度までは、ミクロフィブリル化繊維を生分解性プラスチック内部にナノレベルでより均一に分散させる混練条件について検討し、MFCを原料とし、これをポリ乳酸樹脂中に均一分散させると、混連により得たコンパウンドの圧縮成形試料において、10%の繊維添加で、ポリ乳酸の引張強度を最大1.4倍にまで増大出来ることを見出した。本年度は、MFCと生分解性樹脂との界面制御を目的とし、セルロースヘの化学処理の効果について検討した。セルロースミクロフィブリルの表層部を選択的にアセチル化処理したMFCを重量ベースで5%添加するとポリ乳酸樹脂のヤング率および引張強度をそれぞれ約25%および約15%増大できた。いずれも無処理MFCの添加より高い値であり、アセチル化処理によりポリマーとの界面がより最適な状態に制御されたことが知られた。さらに導入するアシル基をより嵩高いものにしたところ、プロピオネート化でさらに成型体の強度、弾性率を増大できたが、より嵩高い官能基の導入では、ヤング率が低下した。一方、MFCのポリ乳酸樹脂中への分散性について電子顕微鏡観察や応力-ひずみ曲線の解析から検討したところ、高い繊維補強の効果を得るには、セルロース表面の改質とともに樹脂中への均一分散性の向上が重要であることが知られた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Surface Modification of Bacterial Cellulose Nanofibers for Property Enhancement of Optically Transparent Composites : Dependence on Acetyl-Group DS
Author(s)
Ifuku, S., Nogi, M., Abe, K., Handa, K., Nakatsubo, F., Yano, H.
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Journal Title
Biomacromolecules (in press)
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