2003 Fiscal Year Annual Research Report
樹木中のリグニン・炭水化物結合体の単離と定量に関する研究
Project/Area Number |
15380124
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
細谷 修二 独立行政法人森林総合研究所, 成分利用研究領域, 領域長 (70012002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 努 独立行政法人森林総合研究所, 木材化学研究室, 研究員 (90334036)
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Keywords | リグニン・炭水化合物結合体 / リグニン・炭水化物結合点 / オゾン処理 / 酸処理 |
Research Abstract |
針葉樹型リグニン二量体モデル化合物である、グアイアシルグリセロール-β-グアイアシルエーテル(GG)に、木材構成糖であるグルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノースが結合した、ベンジルエーテル型リグニン・炭水化物結合体モデル化合物をそれぞれ合成した。ヘキソースであるグルコース、マンノース、ガラクトースの場合には、ヘキソース側の結合部位が異なる4種類の生成物が得られる可能性があったが、実際に確認された生成物は2種類のみであった。最も高収率で得られたものは、ヘキソースの6位で結合した化合物であり、収率は70-80%であった。グルコースの場合には、6位で結合したもの以外に3位で結合した化合物も確認された。ペントースであるキシロースの場合には、ヘキソース側の結合部位が異なる3種類の生成物が得られる可能性があったが、実際に確認された生成物は2種類のみであった。 合成により得た、これらのベンジルエーテル型リグニン・炭水化物結合体モデル化合物を用い、オゾン処理・酸処理を併用したリグニン・炭水化物結合点の単離法について検討を行った。酢酸・水・メタノール溶液中で0℃、1時間のオゾン処理を行った結果、リグニン・炭水化物結合点を含む目的物を得ることができた。ヘキソース環の酸化開裂により生じた副生成物も同時に生成したが、オゾン処理の処理条件をより緩やかな条件で行うことにより、副生成物の収率を下げることができた。最終的には、オゾン処理後、リグニン・炭水化物結合点を含む目的物が85%の収率で得られた。
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