2003 Fiscal Year Annual Research Report
海苔ゲノムを利用した生活環の制御に関わる遺伝子の発現解析
Project/Area Number |
15380126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嵯峨 直恆 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (10231333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北出 幸広 日本学術振興会, 特別研究員 (90399999)
水田 浩之 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (00250499)
安井 肇 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (00200494)
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Keywords | スサビノリ / 海苔ゲノム / EST / 生活環 / 単胞子 / アラントイン |
Research Abstract |
今年度の研究実施計画は、1)スサビノリの葉状の配偶体の単胞子形成に関わる候補遺伝子を絞り込むことと2)細胞内での遺伝子の発現解析法を開発することと3)化学物質による単胞子形成誘導法を開発することであった。今年度の成果を以下に示す。 【方法】1)について、ESTクローンの中から重複のない5,193個を選び、マクロアレイフィルターを作製した。ターゲットRNAは、単胞子未形成の配偶体、単胞子形成した配偶体、栄養成長した配偶体そして栄養成長した胞子体の4つの発生段階から抽出した。cDNAマクロアレイ法による1次スクリーニング、RT-PCR法による2次スクリーニング、RT-PCR産物のサザン解析による3次スクリーニングの順で、候補遺伝子の絞り込みを試みた。2)について、スサビノリ配偶体のプロトプラストを用い、EF-1α遺伝子をプローブとしてin situハイブリダイゼーションを試みた。3)について、アラントインという化学物質による単胞子形成誘導を試みた。 【結果】1)について、候補遺伝子は、1次スクリーニングで75個、2次スクリーニングで33個に絞り込まれた。これらは、アガロースゲル電気泳動でバンドが予想サイズ以外に複数検出された、あるいは全く検出されなかったのでRT-PCR産物のサザン解析を行った(3次スクリーニング)。これにより、陽性のクローンが2個、陰性のクローンが10個見つかった。上記の陽性2クローンの推定されたアミノ酸配列は、いずれも相同性検索で既知のアミノ酸配列と有意な類似性を示さなかった。2)について、センスプローブではシグナルが検出されずアンチセンスプローブではシグナルが検出された。3)について、配偶体の栄養細胞を10mMのアラントインを含む培地で培養することにより発芽能力のある単胞子様の細胞が得られることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Asamizu E., Nakajima M., Kitabe Y., Saga N., Nakamura Y., Tabata S.: "Comparison of RNA expression profiles between the two generations of Porphyra yezoensis (Rhodophyta), based on expressed sequence tag frequency analysis"Journal of Phycology. 39. 923-930 (2003)
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[Publications] Kitade Y., Ootsuka S., Iitsuka O., Saga N.: "Effect of DMSO on PCR of Porphyra yezoensis (Rhodophyta) gene"Journal of Applied Phycology. 15. 555-557 (2003)
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[Publications] Mizuta H., Yasui H., Saga N.: "A simple method to mass produce monospores in the thallus of Porphyra yezoensis Ueda"Journal of Applied Phycology. 15. 345-349 (2003)
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[Publications] Yamazaki S., Iitsuka O., Kitade Y., Shin J.-A., Saga N.: "Molecular phylogenetic study of Porphyra tenera and Porphyra yezoensis (Bangiales, Rhodophyta) using SSU rDNA"Fish.Gene.Breed.Sci.. 33. 25-34 (2003)
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[Publications] Fukuda S., Kitade Y., Miyamoto H., Nagashima S., Takahashi S.et al.: "Isolation and characterization of an elongation factor-1α gene in Porphyra yezoensis (Rhodophyta)"Journal of Applied Phycology. 15. 81-86 (2003)