2005 Fiscal Year Annual Research Report
海苔ゲノムを利用した生活環の制御に関わる遺伝子の発現解析
Project/Area Number |
15380126
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嵯峨 直恆 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (10231333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 肇 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 助教授 (00200494)
水田 浩之 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 助教授 (00250499)
北出 幸広 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 寄附講座教員 (90399999)
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Keywords | スサビノリ / 海苔ゲノム / EST / 生活環 / 単胞子 / アラントイン |
Research Abstract |
今年度の研究実施計画は、1)前年度cDNAマクロアレイ法によって絞り込まれた候補遺伝子のノーザン解析をすることと、2)差次的発現をする遺伝子の発現解析における新たな内部基準をつくることであった。 【方法】1)について、今年度もEST(Expressed Sequence Tag)解析に用いられたスサビノリTU-1株を材料として用いた。ノーザン解析用RNAは、単胞子未形成の配偶体、単胞子形成した配偶体、アラントイン未処理の配偶体、アラントイン処理した配偶体、栄養成長した胞子体そして殻胞子嚢形成した胞子体の6つの発生段階から抽出した。2)について、スサビノリESTデータベースよりアクチン関連タンパク質と類似性を示すクローンを抽出し、塩基配列の決定と配列解析を行った。また、半定量的RT-PCRによりその遺伝子の発現レベルを調べた。 【結果】1)について、候補遺伝子8クローンのうち4クローンで定量解析を行ったところ、1クローンで単胞子未形成よりも単胞子形成した配偶体で有意に発現量が高かった。また、2クローンで栄養成長した胞子体よりも殻胞子嚢形成した胞子体で有意に発現量が低かった。一方、4クローン全てにおいて、アラントイン未処理と処理の配偶体間の発現量に有意な差は見られなかった。2)について、塩基配列決定したクローンは配列の類似性検索と分子系統学的解析によりアクチン関連タンパク質4ホモログと同定された。本クローンの演繹アミノ酸配列中には推定のbipartite型核局在シグナル(NLS)とアクチンモチーフが見つかった。本遺伝子の発現レベルは、生活環の4つの発生段階で有意に変化せず、従来型アクチンよりも低かった。
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Research Products
(2 results)