2003 Fiscal Year Annual Research Report
持続的農業技術と資源循環ネットワークの形成に関する研究
Project/Area Number |
15380149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大原 興太郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (70024586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 宏 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (10232969)
波夛野 豪 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30249370)
石田 正昭 三重大学, 生物資源学部, 教授 (80144228)
内藤 正昭 特定非営利活動法人循環共生社会システム研究所, 理事代表(研究職) (40101042)
長谷川 浩 東北農業研究センター, 畑地利用部, 主任研究官 (60355328)
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Keywords | 持続的農業 / 堆肥化 / 循環ネットワーク / 嫌気発酵 / BMW技術 / 窯業系パルプ繊維入りケイ酸カルシウム資材 / 全体システム / 循環型社会 |
Research Abstract |
1.環境保全型農業と循環型農業を統合する持続的農業(sustainable agriculture)」の推進には地方公共団体レベルでのGAP (good agricultural practice:適切な農業活動)を明示した「環境直接支払」を伴う環境農業政策の展開が重要である。 2.地域資源を材料とした堆肥の製造・利用に関しては、近年、堆肥化が急速に進められているものの、大規模な機械化システムや特定の発酵菌の働きに頼り、堆肥の質の評価や堆肥を用いる農業者との連繋不足という問題点が明らかになった。 3.堆肥化と異なる生物系廃棄物の利用法として、生ゴミや畜糞の嫌気発酵によるエネルギーと副産物の利用について、埼玉県小川町の地元有機栽培農家の実施事例が先駆的可能性あり、として明らかにされた。また、嫌気発酵液についても化学肥料と同等の即効性があると認められた。 4.微生物や鉱物による自然の循環を模擬した持続的な技術としてのBMW技術はすでに約十年の歴史があるものの、使いこなすには絶えず変化する作物と環境条件を考慮に入れた篤農的技術を要するため、農業者間の技術格差が大きい。 5.住宅のサイディングに広く用いられている窯業系パルプ繊維入りケイ酸カルシウム資材の端材は、主成分がケイ酸とカルシウムであることから,植物生産への活用が期待される。窯業サイディング端材を粉砕して水稲栽培に用いた場合の影響について調査・検討したところ、特にマイナスの問題はなく減農薬あるいは無農薬栽培にプラスの効果を持つ可能性が明らかになった。 6.現状現状の循環型社会のモデルは"大量生産・大量消費"をそのままにして,"大量廃棄"だけを循環・再生技術によって改善しようとしているため、その廃棄物を回収するシステムやエネルギー化した後の残渣処理等に関する全体システムを循環型社会に適応したものにする必要があることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)