2004 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地域における農村環境整備の計画手法に関する研究
Project/Area Number |
15380162
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松本 康夫 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (30021728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 強 京都大学, 農学研究科, 教授 (80021707)
星野 敏 神戸大学, 農学部, 助教授 (60192738)
三宅 康成 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (60262755)
九鬼 康彰 京都大学, 農学研究科, 助手 (60303872)
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Keywords | 活性化 / 地域資源 / 農産物直売施設 / テキストマイニング / 農家民宿 / 構造改革特区 / 鳥獣害 / 農地利用構想 |
Research Abstract |
平成16年度は研究の2年目にあたり,研究分担者の課題に応じて中山間地域における農村環境整備計画を策定するための諸課題を整理しつつあり,次のような成果が得られている。 松本は,岐阜県下の農山村集落においてワークショップによって作成した集落土地利用構想に対する来訪者意識を調査するとともに調査地域を周辺に拡大して里山への関心を高める動機付けとなる地域資源の分布を調査した。農山村の生活や食文化に触れたい来訪者に対して地元の関わりはほとんどなく,住民の地域資源に対する関心も急激に失われつつある。次世代に継承すべき地域資源の保全施策が急務であることが明らかになった。高橋は,大阪府の農産物直売所を取り上げ,来訪者や売上金等の季節変動,来訪者の居住地分布等を調査するとともに,関係農家へ直売所設置による営農計画との関わり,今後の営農意向等について調査した。来客は,近隣市町村が多く,直売所が営農意欲の向上に寄与している。その要因として農家に現金収入が得られる他に,農家同士の結びつきや顧客とのつながりが重要であることが示された。星野は,交流型の地域整備を計画・実施するために,来訪者ニーズを岡山県の交流宿泊施設で宿泊者が長年書き残してきた落書き帳の記述内容から分析した。分析にはテキストマイニング手法を用いて,当該施設の魅力と来訪者のニーズを把握し,その改善方法を提言するとともに同手法の有効性を検討した。三宅は,主に農家民宿と市民農園に取り組む事例を対象に実態調査を通して農村の活性化策を検討した。まず,兵庫県の農家民宿を対象に,経営状況,自治体の支援状況,周辺の地域住民との関わり等を明らかにするとともに,兵庫県内で構造改革特区による市民農園の開設状況を把握し,市民農園による地域活性化の展望を検討した。九鬼は,和歌山県の農業集落を対象に鳥獣害の現状と対策について聞き取りや現地調査から検討した。村の全域でイノシシとシカによる被害が数年前から激増していること,電気柵のように一部効果を発揮している方法もある反面,広域的な対策としては不十分であることが明らかになった。また中山間地域における有害獣の進入ルートに配慮した獣害対策一体型の農地利用構想を策定した。
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Research Products
(5 results)