Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 強 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (80021707)
星野 敏 神戸大学, 農学部, 助教授 (60192738)
三宅 康成 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (60262755)
九鬼 康彰 京都大学, 農学研究科, 助手 (60303872)
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Research Abstract |
本年度は,研究の最終年度にあたり,過去3年間の成果の補足調査を行うとともにとりまとめを行った。各分担者においては,それぞれの分担課題のもとで,基礎資料を収集するとともに計画課題を明らかにし,以下のような一連の諸知見や成果が得られた。 松本は,中山間地域集落におけるワークショップの開催,地域資源マップ等の作成を通して住民が主体的に参加するふるさと再生の構想づくりを実践・支援し,一連の支援過程に潜む諸課題を検討した。中山間地域における地域資源を生かした計画の策定を通して住民意識を高め,住民が参加しやすい,わかりやすい計画の策定手法を提言した。高橋は,広域化に対応した農村振興の基礎資料として,石川県を対象として人口動態分析を行った。15〜24歳の青年層で学卒後の就職や進学のための転出が著しく,これが人口減少・高齢化の主たる原因であり,そのため,地域内での就業機会の確保と,転出者の定年後の受け入れが重要課題となることを示した。星野は,都市農村交流に取り組む地域を交流型地域づくりと定義し,計画論的視点から地域づくりにおけるHP開設の意義と可能性を考察した。事例地域で住民と共にHPを立ち上げ,その効果を観察した。交流型地域づくりと参加型HPづくりが結合することにより情報発信と地域活性化の相乗効果が期待できる点を検証した。三宅は,都市住民の力を借りながら農村地域の活性化を図る取組みとして,「里山保全」および「空き家活用」を対象として,現状把握と課題抽出を行った。里山保全では,ボランティアの役割が評価される一方で,できるだけ地域住民の関与を高める工夫が必要である。空き家活用では,空き家登録制度が十分に機能していない現状があり,空き家所有者および利用希望者の意識の差が活用阻害要因となっていることを明らかにした。九鬼は和歌山県田辺市の農業集落で土地利用と獣害の発生状況を調査した。その結果,減反によって林地化を選択した農地や耕作放棄地を有害獣が生息域として利用しており,それらが被害を拡大させていることが明らかになった。そして獣害対策や耕作放棄地活用も含めた中山間地域での農村整備の考え方と課題を指摘した。
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