2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
赤江 剛夫 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (10123423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天谷 孝夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (80033265)
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Keywords | 除塩 / 乾燥 / 脱水ケーキ / 溶出 / スレーキング / 干拓地粘土 / 表面荷電 |
Research Abstract |
児島湖脱水ケーキの除塩に関する先行研究により、乾燥処理がリーチングによる除塩を顕著に促進する事実が認められた。しかしながら、その機構の解明については不明な点が多く残されていた。そこで、乾燥が脱水ケーキからの除塩を促進する機構を解明するため、乾燥段階を変えた脱水ケーキの溶出特性を実験的に検討した。その際、以下の3つの機構仮説をもうけて検討した。(1)乾燥が土壌表面に塩分を集積させる。(2)乾燥が土壌の間隙構造を変化させ、土壌中の塩分輸送速度を増大させる。(3)乾燥にともない交換性陽イオン組成が変化する。その結果、(1)の機構により、初期溶出濃度が著しく増大する。(2)の実験結果は、乾燥程度の増大により溶出速度は生土より大きくなるが、その後いったん低下し、風乾以上の乾燥で再び溶出速度が増大することを示した。乾燥強度が大きいほど土壌中の塩分拡散係数が増大する事実が認められ、同時に含水比20%程度への乾燥でスレーキングが最大となることから、これらの効果の合成された結果として溶出速度が増大するものと考えられた。(3)については、乾燥に伴い交換性陽イオンのNa化が進行することが認められたが、溶出速度増大への直接的な寄与については課題が残された。 土壌表面の物理化学性は、除塩に大きな影響を与えるが、諌早湾干拓地粘土を対象に、乾燥が土壌の分散および表面荷電特性に与える影響を検討した。乾燥程度の増大とともに分散性が増大した。一方で、乾燥程度の増大により、吸着Naイオン量が増大した。分散性の増大と、吸着Na量の増大は、表面電位の上昇をもたらしたものと推定された。しかし、乾燥による変異荷電の変化量は少ないことから、乾燥が土粒子の永久荷電量の増大あるいは内圏錯体陽イオンの脱着を促進する可能性があると推定された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 黒田明代, 赤江剛夫, 藤田美鈴: "児島湖底泥の脱水・硬化特性の改良と児島湖脱水ケーキの除塩促進方法の検討"第2回海環境と生物および沿岸環境修復技術に関するシンポジウム発表論文集. 31-36 (2003)
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[Publications] 温水弘之, 赤江剛夫: "乾燥が諌早湾干拓地土壊の分散と吸着陽イオン組成に及ぼす影響"第45回土壌物理学会シンボジウム講演要旨集. 42-43 (2003)