2004 Fiscal Year Annual Research Report
焼却灰からの重金属溶出と処分場粘土バリアーによる重金属吸着の性能評価
Project/Area Number |
15380167
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大坪 政美 九州大学, 農学研究院, 教授 (80112316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑紫 二郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (00127458)
東 孝寛 九州大学, 農学研究院, 助教授 (00181066)
肥山 浩樹 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (10208788)
和田 信一郎 九州大学, 農学研究院, 助教授 (60108678)
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Keywords | 焼却灰 / 重金属 / 塩分 / 粘土バリアー / 粘土ライナー / 吸着 / 透水係数 / ベントナイト |
Research Abstract |
現地土,および現地土とベントナイトの混合土を用いて,塩の存在下における鉛の吸着特性をバッチ平衡試験により調べた。また,鉛の吸着形態を調べるためにselective sequential extraction (SSE)による分析を行った。同一の平衡濃度において鉛の吸着量は,すべての試料において溶液中の塩濃度が増加するにつれて低下した。鉛のイオン強度に対する塩のイオン強度の比が増加するにつれて,すべての試料の分配係数は減少した。これは,鉛が塩溶液中の陽イオンと競合し,粘土粒子への鉛吸着が阻害されるためである。土にわずか5%のベントナイトを加えることにより鉛の吸着能は高まった。これはベントナイトの高いpH(=10程度)が鉛の沈殿を促進するためである。 海面埋立処分場において海底粘土を底部遮水層として想定し,その重金属吸着特性をバッチ平衡試験とカラム試験により調べた。バッチ平衡試験において,水溶液として海水および焼却灰の浸出水を使ったときの鉛の吸着量は,蒸留水を使った場合に比べ著しく少なかった。カラム試験において,浸透溶液として蒸留水を使ったとき含まれる鉛はほとんどカラム土の表層に吸着されるが,海水および焼却灰の浸出水を使った場合は,鉛が下層まで移動し,すべての深さの土に吸着した。SSEによると炭酸塩,交換性,金属酸化物による鉛の保持が卓越していること,海水および焼却灰の浸出水の存在下ではこれらの相に保持されている鉛はすべて,蒸留水の場合に比べて少ないことがわかった。 種々のベントナイトを用いて鉛の吸着能を調べた。その結果,鉛の吸着能はベントナイトの荷電量よりもむしろベントナイトがゼオライトを含んでいるかどうかによって関係することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)