2003 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能および画像処理技術を活用したトータルプロダクションシステムの環境制御
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15380173
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
仁科 弘重 愛媛大学, 農学部, 教授 (70134509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 康 愛媛大学, 名誉教授
羽藤 堅治 愛媛大学, 農学部, 助教授 (50274345)
森本 哲夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (50127916)
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Keywords | 人工知能 / 画像処理 / 熱ストレス / ニューラルネットワーク / 水損失 / 糖度 / 葉面積 |
Research Abstract |
従来より果実の貯蔵は、生理活性の抑制や鮮度維持などの観点から、できるだけ低温かつ一定がよいとされてきた。しかし、筆者らの実験によると、単に低温一定に保つよりも、熱ストレス(約40℃)を1、2回与えた方が、果実の水損失や呼吸をかなり抑制できることを見い出した。そこで本研究では、果実応答に基づいて、果実の鮮度維持(水損失や呼吸を最小にする)と高品質化(糖度と有機酸の割合を最適に保つ)を達成するための最良の温度操作パターン(熱ストレスと低温の最適な組み合わせ)を見い出し、その技術を実用化したい。 (1)温度変化(0〜50℃)に対するトマトの水損失、呼吸、果皮色、硬さ、糖度などを計測した。貯蔵におけるトマトの水損失速度、呼吸速度、果皮色はいずれも温度が高くなるに従って反応が大きくななるが、35℃以上では逆に低くなり、そして一旦このような熱ストレスを12時間以上与えると、その後はもとの温度(低温)に戻しても抑制されており、再度温度を上げても増加の度合いは小さかった。熱ストレスによる水損失、呼吸、追熟の抑制効果がシステム科学的に認められた。 (2)3層のニューラルネットワークを用いて、システム同定手法により、温度に対するトマトの水損失速度、呼吸速度、果皮色の変化(緑色から赤色へ)の動的モデルを構築できた。 (3)次に、このモデルのシミュレーションから、目的関数(果実の水損失速度、呼吸速度、果皮色の変化)を最小にする温度操作を、遺伝的アルゴリズムを用いて求めると、最初に、急激に40℃の熱ストレスを1日ほど与え、その後急激にもとの温度に下げるパターンであった。このような単純な温度操作が果実の水損失速度、呼吸速度、果皮色の変化を最小にさせ、その有効性が確かめられた。画像処理に関しては、植物の葉の3次元の形状モデルをポリゴン処理を用いて行い、葉の面積などの特徴を捉えることが出来た。また、トマトの枝にある葉の総面積と画像中の特徴との相関を求め、3次元画像処理により非破壊非接触の計測が可能となった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Morimoto, T.: "Dynamic optimizations of cultivation and fruit-storage processes using a speaking plant-based intelligent control technique"Environment Control in Biology. 41(3). 193-210 (2003)
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[Publications] Morimoto, T., Hashimoto, Y.: "A decision and control system mimicking a skilled grower's thinking process for dynamic optimization of the storage environment"Environment Control in Biology. 41(3). 221-234 (2003)
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[Publications] Morimoto, T., Tu, K., Hatou, K., Hashimoto, Y.: "Dynamic optimization using neural networks and genetic algorithms for tomato cool storage to minimize water loss"Transactions of the ASAE. 46(4). 1151-1159 (2003)