2004 Fiscal Year Annual Research Report
海洋深層水の機能発現メカニズムの解明と水の構造制御による高品質植物生産
Project/Area Number |
15380174
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
石川 勝美 高知大学, 農学部, 教授 (20117419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 孝尚 高知大学, 農学部, 教授 (70036739)
北野 雅治 高知大学, 農学部, 教授 (30153109)
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Keywords | 海洋深層水 / 水の構造制御 / 緩和処理 / 植物生産 / 水耕栽培 / 緩衝能 / TSDC / 表面張力 |
Research Abstract |
1.水の分子運動に及ぼす無機塩の影響 超純水(Millipore製,EC=0.025μS/cm)に対する無機塩の影響を明らかにするため、(MgCl_2,CaCl_2、NaCl、KCl)を添加してMg^<2+>、Ca^<2+>、Na^+、K^+のそれぞれのイオン濃度を1.3ppmに調整した。その結果、イオンの種類によってTSDC緩和ピーク値は異なり、イオン半径の小さいものは緩和ピーク温度が高温側にシフトすることが示された。これは水和により、イオン近傍の水が拘束され、分子運動は低下していることを意味する。さらに^1H-NMR回転相関時間と緩和ピーク温度との関係について調べたところ、緩和ピーク温度は回転相関時間と対応する関係が得られ、回転相関時間が長い水分子は、緩和ピーク温度も高温側にシフトすることが判明した。 2.深層水の構造解析 脱塩水、脱塩水の緩和処理水、蒸留水、水道水、超純水につき、それぞれサンプリング後12時間経過した水を対象として測定を行った。水は動的構造を有し、時間とともにゆらいでいるが、水質の違いによる水の状態変化が現れた。すなわち、水道水、蒸留水、超純水の緩和ピーク温度は類似していることから、水の分子状態も類似していると推定された。一方、脱塩水は高温側にシフトし、とくに脱塩水の緩和処理水は全試験水の中で緩和ピーク温度が最も高温側にシフトした。このことから緩和処理により水分子は拘束され、分子運動性は低下し、脱塩水の水分子の構造単位は、水道水と比べて大きな構造の水の存在を示唆した。 3.表面張力の比較 イオン量の多い深層水は表面張力値が相対的に小さい傾向にあるが、トレースミネラルの影響も考えられた。表面張力の変化には溶出イオン及びイオン濃度も関わることが推測された。
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Research Products
(5 results)