2004 Fiscal Year Annual Research Report
可視画像、近・中赤外分光法および蛍光X線分光法による圃場レベル作物情報センシング
Project/Area Number |
15380179
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
橋本 篤 三重大学, 生物資源学部, 教授 (40242937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 健一 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30293608)
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Keywords | 蛍光X線分光 / 中赤外分光 / トマト / イネ / 栄養診断 / 必須元素 / 栽培環境 / 栽培条件 |
Research Abstract |
迅速かつ簡易的に作物体内の元素やイオンを計測できる現場対応型の作物の栄養診断方法として、非破壊的に複数元素の同時計測が可能な蛍光X線分析と様態の異なる窒素計測が可能な赤外分光法の併用に着目し、植物体の栄養状態の指標となる葉中の必須元素情報の計測方法について検討した。その際、代表的な作物であり、また栄養成分の吸収特性が異なるトマトとイネを対象とした。まず、葉モデルの幾何学的構造の影響を検討することにより、定量的な元素計測が可能となった。そして、トマト小葉,イネ葉の蛍光X線分光情報と、元素の定量分析の標準法でプラズマ発光分析(ICP)による葉中含量分析値との比較を行ったところ、主要な必須元素に関しては蛍光X線分光計測によって元素含量を定量的に把握可能である事が示された。一方、全反射吸収法を用いた赤外分光計測では、試料の生葉をセンサー部のクリスタルに接触させるための最適荷重を決定することにより,再現性の高い葉中成分の赤外分光情報の取得が可能となった。また、栽培過程におけるトマト樹体の葉の分光計測情報に基づき、栽培環境・条件による樹体内の元素バランス特性の把握を試みた。その結果、栽培過程におけるトマト生葉の分光計測から得られた樹体内の元素バランス情報と、既知の生理特性による元素バランスの傾向が一致し、栽培条件による元素バランスの違いも認められた。さらに、植物体の栄養状態を表す外観情報の1つである色彩情報に着目し、その計測に関わるデバイス間の統一した色彩表現が可能な色彩画像計測システムを構築した。そして、生葉の安定かつ定量的な色彩計測が可能となった。
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