2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380184
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金井 幸雄 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40015871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 勉 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (00023474)
平林 美穂 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (60311312)
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Keywords | 水牛 / 熱帯畜産 / 地域資源活用 / 産肉性 / 食肉性 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
水牛は、粗飼料の利用性に優れるという特徴に加え、暑熱環境下では体表血流量の増加が顕著で顕熱放散を効果的に行うなどの特徴を有し、飼育環境の如何によっては牛よりも優れた生産性を発揮する可能性を有している。本研究では、水牛の高度利用推進を最終目的として、1)体温調節反応、2)飼料利用性と産肉性、3)繁殖特性の各側面について、牛との比較から水牛の特性を明らかにしようとした。本年度は、水牛の産肉性は牛に比肩するという前年度の成績を踏まえ、水牛肉の特性に関する科学的データの収集を目的として以下の研究を実施した。 1)水牛の肥育成績と食肉特性 粗飼料主体の飼養条件下で2歳齢の水牛とブラーマン系肉牛を6ヶ月間肥育し、産肉・食肉特性を比較した。その結果、粗飼料給与下では増体量に関する水牛の優位性がより顕著になることを確認した。また、4℃・2週間の熟成期間を設定し、水牛肉の熟成に伴う柔らかさ(tenderness)、pHの変化等を調査した。その結果、熟成に伴うpHの低下は水牛肉と牛肉で同様の経過を辿るものの、全期間を通じて水牛肉(ロース)は牛肉より柔らかいことを明らかにした。現在、この特性が、筋肉タンパク質の分解、分解酵素の活性など、熟成期問中に見られる筋肉中の生化学的・分子学的変化で説明できるか否かを検討中であり、結果を待って論文発表する予定である。 2)水牛の脂質代謝に関わる特性 血中のレプチン、インスリンコレステロール濃度が水牛で低いという前年度の結果から、脂質代謝に種間差があると予想し、屠殺直後の動物から血液および肝臓組織を採取し、脂質関連酵素の活性を分析中である。分析結果の確定を待って論文発表する予定である。 なお、筋肉や肝臓組織の分析が当初予定より遅れているのは、口蹄疫の発生等により我が国の動物検疫が強化され、輸入禁止品(水牛肉)の輸入許可に従前より時間を要したことによる。
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