2005 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類生殖前駆細胞の分化制御による同一ゲノム個体の再生
Project/Area Number |
15380190
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鏡味 裕 信州大学, 農学部, 助教授 (80308303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 珠乙 信州大学, 農学部, 教授 (10177264)
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Keywords | 生殖前駆細胞 / 発生分化 / 同一ゲノム個体 / 生殖細胞系列キメラ / 発生工学 |
Research Abstract |
単一胚由来の生殖前駆細胞をドナーとし、雌雄のレシピエント胚に移植する。これらの雌雄キメラ(以下、単一キメラ)の生殖腺内でそれぞれ卵子および精子へ分化制御を試みた。これらの配偶子の受精によってドナー細胞とほぼ同一のゲノムを保有する子孫(以下、同一ゲノム個体)の作出を目的とした。ドナーとして、放卵直後の横斑プリマスロック、または、烏骨鶏の受精卵を使用した。レシピエントとして白色レグホンの受精卵を使用した。ドナーの受精卵をシャーレ上で割卵した。胚盤葉の周辺に濾紙リングを保定した。リングの周辺を眼科用の手術鋏を用いて切除した。胚盤葉を卵黄から採取し、さらに明域中央部の細胞塊のみを採取した。細胞塊の周囲に付着する余分な卵黄、卵白および血液を培地で緩やかに洗浄し完全に除去した。こうして胚盤葉の明域中央部に局在する生殖前駆細胞のみを選択的に採取精製した。この細胞をドナー細胞として利用した。レシピエントの受精卵を採取した。シャーレ上で割卵し濃厚卵白を除去した。受精卵に紫外線を照射し、胚発生の遅延を誘起した。胚盤葉明域中央部の細胞塊を物理的に除去しレシピエントとした。既に調整済みのドナー細胞をレシピエント胚(白色レグホン)へ顕微注入した。全胚培養系によって操作胚を培養し雛を得た。これらの雛の内、雌雄の単一キメラ個体を3組得た。雌雄単一キメラ雛を性成熟まで飼養し交配をおこなった。この結果、羽装中にドナー(横斑プリマスロック)由来の横斑のスポットが混在したものが確認された。この事から、後代検定に用いた雌雄キメラのどちらか一方の生殖腺中に、ドナー由来の機能的配偶子(精子または卵子)の生産が確認された。以上の結果から本課題を通じ、鳥類生殖前駆細胞の分化制御による同一ゲノム個体の再生に先鞭をつけた。
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Research Products
(3 results)