2005 Fiscal Year Annual Research Report
筋肉蛋白質の蓄積促進に関わるIGF-Iシグナルカスケードの解明
Project/Area Number |
15380194
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
喜多 一美 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20221913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 国興 鹿児島大学, 農学部, 教授 (80041656)
塚田 光 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (20343212)
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Keywords | ニワトリ / メチオニン / グリシン / 飼料蛋白質 / 蛋白質分解 / 3メチルヒスチジン / 筋肉 |
Research Abstract |
ニワトリ胚筋芽細胞培養系を用いて、培養液中のロイシン濃度の変化が蛋白質合に与える影響を調べた。培溶液はMedium199を用い、ロイシン及びウシ胎児血清(FCS)濃度を段階的に変化させた。培養液中にトレーとして加えた[3H]-フェニルアラニンの細胞への取り込みを蛋白質合成の指標とした。Medium199のアミノ酸濃度を基準とし、ロイシン濃度を1倍から5倍にすることで筋芽細胞の蛋白質合成は増加したが、ロイシン濃度を5倍から10倍にすると蛋白質合成は減少した。また、FCS濃度が高いときほど、ロイシンが蛋白質合成を減少させる効果が観察された。以上の結果から、ロイシンはFCS濃度が低いときには蛋白質合成を増加させ、FCS濃度が高いときには、蛋白質合成を減少させることが示唆された。次に、ニワトリ胚筋芽細胞培養系を用い、Met及びGlyを欠乏させた飼料で飼育したニワトリの血漿を培養液中に加え、in vitroでの蛋白質合成及び蛋白質分解の変化を調査した。また、IGF-Iを血漿と共に培養液に添加することにより、IGF-Iの蛋白質代謝への関与について調査した。[3H]-Pheの細胞への取り込みから蛋白質合成を測定した。培養に用いた血漿は、以下の飼料を摂取させたニワトリから採取した(CP18%、CP9%、CP9%+アミノ酸(CP18%まで)、CP9%+Metを除くアミノ酸、CP9%+Glyを除くアミノ酸、CP9%+MetとGlyを除くアミノ酸。)Met欠乏飼料群のニワトリ血漿を用いて培養した筋芽細胞蛋白質合成は、他の群にくらべて有意に減少し、蛋白質分解は増加した。IGF-I濃度が低い血漿にIGF-Iを補うと、Met欠乏飼料群の血漿により低下した蛋白質合成は回復する傾向にあった。以上の結果より、Met欠乏により観察されたニワトリの筋肉蛋白質蓄積の低下には、血漿中IGF-I濃度低下による筋肉蛋白質合成の低下が関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)