2003 Fiscal Year Annual Research Report
インヒビンレセプターの構造決定とTGF-βファミリーのシグナル伝達系に関する研究
Project/Area Number |
15380195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長谷川 喜久 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (40092001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 信彦 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (10209223)
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Keywords | インヒビン / アクチビン / レセプター / 下垂体 / K562細胞 / TGF-β |
Research Abstract |
インヒビンは、1985年、FSHの合成・分泌を特異的に抑制する因子として、卵胞液より単離・精製された。現在までにインヒビンの作用は,多くの研究者により検討され、数多くの研究結果が報告されている.しかし、インヒビンレセプターの同定及び精製は、精力的に行われているにも関わらず、未だに成功した報告は無い。従って,本研究は、ヒツジ及びウシ下垂体からのインヒビンレセプターの同定と精製を行い、更にそのレセプターの構造決定を行うことを目的とした。 ヒツジ下垂体からのインヒビン結合蛋白質の同定及び精製では、まず、ヒツジ下垂体から下垂体膜可溶化分画を作製し、そのアフィニティークロマトグラフィーを行った。次に、溶出液に含まれていた蛋白質を、ゲル濾過高速液体クロマトグラフィーにより分子量ごとに分離し、インヒビン結合蛋白質分画を作製した。更に、逆相高速液体クロマトグラフィーを行うことによりインヒビン結合蛋白質を単離し、純度の高いインヒビン結合蛋白質の分離精製を行った。これにより、分子量70kDa,40kDa及び20kDaのインヒビン結合蛋白質が精製され,本研究で目的とされているインヒビンレセプターである可能性が示唆された。 次に、ウシ下垂体からのインヒビン結合蛋白質の同定及び精製を行った。ウシ下垂体膜可溶化分画の8M尿素Bufferを溶出液としたゲル濾過クロマトグラフィーを行った。更に,逆相高速液体クロマトグラフィーを行い、インヒビン結合蛋白質を単離した。以上の蛋白質の精製方法により,ウシ下垂体からもインヒビン結合蛋白質を分離精製することが可能となった。そこで次に、ウシ下垂体から精製された40kDa及び20kDaインヒビン結合蛋白質について,アミノ酸配列の解析を行った。その結果、2つのインヒビン結合蛋白質のアミノ酸組成は全く同一であり、40kDaインヒビン結合蛋白質は、20kDaインヒビン結合蛋白質の2つのサブユニットで構成されていることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Imai K, Khandoker MAMY, Yonai M, Takahashi T, Sato T, Ito A, Hasegawa Y, Hashizume H: "Matrix metalloproteinases-2 and -9 activities in bovine follicular fluid of different-sized follicles : relationship to intra-follicular inhibin and steroid concentrations."Domes Ani Endocrinol. 24. 171-183 (2003)
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[Publications] Sugino T, Yamaura J, Yamagishi M, KurosE Y, Kojima M, Kangawa K, Hasegawa Y, Terashima Y: "Involvement of chorinergic neurons in the regulation ghrerin secretory responce to feeding in sheep."Biochem Biophys Res Commun. 304. 308-312 (2003)
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[Publications] Kaneko H, Noguchi J, Kikuchi K, Hasegawa Y: "Molecular weight forms of inhibin A and inhibin B in the bovine testis change with age."Biol Reprod. 68. 1918-1925 (2003)
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[Publications] Saito D, Hasegawa Y, Urano A: "Gonadotropin-releasing hormones modulate electrical activity of vasotocin and isotocin neurons in the brain of rainbow trout."Neuosci Lett. 351. 107-110 (2003)
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[Publications] Wada W, Kuwano H, Hasegawa Y, Kojima I: "The dependence of TGF-b-induced collagen production on autocrine factor activin A in Hepatic Stellate cells."American J of Physiol. (in press). (2004)