2003 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン発現組換え植物によるコンビネーションワクチンの開発
Project/Area Number |
15380198
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松村 健 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門・植物分子工学研究グループ, グループリーダー (50358040)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒光 裕 (独)農業技術研究機構, 動物衛生研究所, 研究室長 (10355159)
杉本 千尋 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90231373)
松尾 幸毅 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門・植物分子工学研究グループ, 研究員 (10358012)
|
Keywords | サイトカイン / ロタウイルス / 組換え植物 |
Research Abstract |
研究の目的は、哺乳類病原微生物由来の抗原蛋白質とアジュバント効果の期待されるサイトカイン分子を植物の遺伝子組換え技術を利用して同一植物体で発現させ、従来の経口ワクチン植物より高い効果が期待される組換え作物を作出することにある。そこで、抗原蛋白質としては、哺乳類に広く感染し、下痢症を引き起こすロタウイルスの中でも、血清型グループAに属するウシロタウイルスの内核粒子構成に関与し、グループ血清型共通抗原であるVP6蛋白質を、また、アジュバント効果の期待されるサイトカイン分子には、ウシインターロイキン1を用いることとした。それぞれの遺伝子は、ウイルスゲノムRNAおよびConcanavalin A刺激ウシ末梢血単核球のmRNAからクローニング、塩基配列を決定したものを用いた。これらの遺伝子は、エンハンサーを有したカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター支配下で発現可能なように植物発現ベクターを構築後、当該遺伝子でアグロバクテリウム菌を形質転換した。得られたそれぞれの形質転換菌株を、可食性作物であるイチゴ(Fragaria X ananassa)の葉柄に混合感染させることにより、同時に両方の遺伝子を組み換えることを試みた。この結果、現在、112個体の再分化個体を得ることが出来た。そこで、得られた再分化個体のうち、いくつかをランダムに選抜し、ゲノムDNAを抽出後、インターロイキン1遺伝子(全長801bp)のうち、790bpを増幅するプライマーを用いて、PCR反応を行った結果、目的サイズの遺伝子増幅が確認されたことから、少なくともインターロイキン1遺伝子が導入されたことが確認できた。
|