2005 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂異常原因遺伝子の単離と遺伝子導入による生殖細胞形質転換手法の開発
Project/Area Number |
15380204
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Research Institution | Notional Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
野口 純子 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝資源研究グループ, 研究員 (80189381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国枝 哲夫 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80178011)
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Keywords | 精子形成 / 減数分裂 / Fkbp6 / シナプトネマ構造 / 染色体対合 / 性染色体不活性化 |
Research Abstract |
前年度は遺伝子Fkbp6の欠損と血液精巣関門の機能不全について明らかにした。H17年度はFkbp6の欠損による減数分裂における染色体の対合異常について、1.マウスとラットでその発生を比較するとともに、2.雄性減数分裂にのみ異常が発現する機序を明らかにするためにXY染色体の対合に伴って起きる性染色体の不活性化について検討した。 1.電子顕微鏡を用いた染色体の検索結果から、マウスおよびラットの厚糸期精母細胞における染色体対合の発生頻度はそれぞれ62.7%および27.0%であり、マウスで40.3%、ラットで16.2%の厚糸期精母細胞では性染色体の対合に異常が観察された。 2.精巣特異的ヒストンであるH2AXのリン酸化をXY染色体の不活性化の指標とし、染色体標本にリン酸化H2AX(γH2AX)特異的抗体を用いた蛍光染色を施し観察を行った。その結果、マウスで75.3%、ラットで84.2%の核でXY染色体に一致したγH2AXの局在が観察された。これら以外の核ではXYとともに常染色体の対合異常部位にγH2AXの局在が観察された。 これらの結果から、FKBP6の欠損は直接的に性染色体の不活性化異常を誘発するのではなく、XYの対合異常に伴うものであることを示唆され、Fkbp6欠損により雄性減数分裂のみに異常が発現する機序にXY染色体の不活性化異常は関与していないものと考えられた。
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Research Products
(1 results)