2004 Fiscal Year Annual Research Report
Th1/Th2病としての自己免疫疾患の病態解明と予防・治療
Project/Area Number |
15380210
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
林 俊春 山口大学, 農学部, 教授 (90111484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 晃一 山口大学, 農学部, 助教授 (90205914)
久和 茂 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30177943)
保富 康宏 三重大学, 医学部, 助教授 (90281724)
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Keywords | 糖尿病 / ループス / ウイルス / Th1 / 接着分子 / 治療 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
Th1/Th2病としての自己免疫疾患の病態解明と予防・治療に関連した成績の概要は以下のとおりである。 (1)脳心筋炎ウイルス感染マウスはTh1型の自己免疫性膵島炎から糖尿病を発する事、およびこの糖尿病の発症はStreptmyces tsukubaensisより分離されたtacroliumsにより抑制される事を明らかにした。 (2)馬ヘルペスウイルス(EHV)-1はマウスに急性の呼吸器化感染を起こす。このウイルスの排除にはTh1型のウイルス排除機構が関与する事が知られているが、その前に接着分子(ICAM-1/LFA-1)が重要な役割を果している事が明らかになった。 (3)全身性エリテマトーデスはTh1型の自己免疫疾患である事が示唆されている。本疾患では、血管病変がみられるが、皮膚の細小血管炎には接着分子(ICAM-1/LFA-1)が関与する事、それが局所の血管内皮に好中球を固着させ、核破砕性の血管炎を引き起こす事、接着分子発現にIL-1やTNFが関連している事が明らかとなった。 以上の成績から、自己免疫疾患のうち臓器特異的糖尿病を誘発するウイルス性膵島炎と、全身性疾患であるループスの病態は共にTh1優位な疾患である事が明らかとなった。これらの知見はサイトカイン不均衡を是正する治療への応用の可能性が期待される。また自己免疫疾患では内外の環境因子が関与して発症する事が示唆されている。今回のウイルス感染の成績から、少なくともある種のウイルスはTh1型の免疫反応を介して、自己免疫疾患発症を促進する可能性がある。
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Research Products
(3 results)