2005 Fiscal Year Annual Research Report
牛ウイルス性下痢症ウイルス感染牛の呈する非典型的臨床症状と病原因子との関連性
Project/Area Number |
15380212
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田島 誉士 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90202168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 謙爾 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (80214162)
迫田 義博 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (40333637)
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Keywords | 牛ウイルス性下痢ウイルス / BVDV / ウイルス局在 / 病態 |
Research Abstract |
これまでに摘発された自然発生の牛ウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)持続感染牛(PI)のうち、末梢血から1c遺伝子亜型に属するBVDVが分離されたPIについて、BVDV遺伝子型とその病態との関連性を検討した。 これらのPIの呈する臨床症状においては、運動障害を主徴とする中枢神経異常の症状が、他の遺伝子亜型のウイルスに感染したPIより高率に認められた。肉眼病理解剖所見においても、大脳における肉眼病変が高率に発現していた。そこで、病変形成および症状発現とウイルス遺伝子亜型との関連性を究明するために、PIの脳を免疫組織化学的に検索した。その結果、1c亜型特異的なBVDVの脳内局在は確認できなかったが、1c亜型のBVDVに感染したPIでは、他の亜型のウイルスに感染したPIよりも高率に大脳神経細胞内でBVDVが確認された。さらに、臓器別のウイルス分布の違いを確認するために実施した定性PCRでは、BVDV遺伝子型に関係なく各臓器からウイルス遺伝子が検出され、臓器の違いによるウイルス分布の偏りは確認されなかった。次に、各臓器に感染しているウイルス量の違いが不明であるためそれを検討する目的で、定量PCRを実施した。その結果、各臓器間でのウイルス量の違いは認められたが、大脳に感染しているウイルス量が有意に多いという結果は得られなかった。 以上の成績から、1c遺伝子亜型に属するBVDVが分離されたPIでは、その大脳神経細胞内にウイルスの存在は確認できたものの、そのウイルスが症状発現の直接的な引き金になっているとの証拠を得ることはできなかった。しかしながら、運動障害を主徴とする中枢神経異常の症状は、他の遺伝子亜型のBVDVが分離されたPIには認められていない症状であるので、本研究結果は間接的な影響を強く示唆するものと考えられた。
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Research Products
(2 results)