2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 拡邦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30261960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 彰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50183455)
堀 成人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80313071)
磯貝 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40191879)
栗本 康二 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 助教授 (60279510)
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Keywords | 加溶媒分解 / セルロース / レブリン酸 / ビニルアルコール・レブリン酸ビニル共重合体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、木本類や草本類をアルコール類や環状炭酸類で酸触媒下に加溶媒分解(以下、液化)して主に得られるレブリン酸エステルやその前駆物質であるアルコール配糖体などに着目し、これらの最大生成条件を見出しその取得法を検討して、これらを原料とした新規な高分子材料を創製しようとするものである。本年度は最終年度であるので、既存の成果を基に以下の3点について集中した。 1.セルロースの液化におけるレブリン酸エステル生成までの反応中間体の同定:セルロースのエチレングリコール加溶媒分解反応においてレブリン酸誘導体生成時の反応中間体として、従来捉えられていなかった2-ヒドロキシメチルフルフラール誘導体を液体クロマトグラフィーにより分取し、同定して、その存在を確認した。また、最終生成物であるレブリン酸は縮合せず、フルフラール類が縮合して高分子化することによりレブリン酸の収率が低下することをつきとめた。 2.セルロースの液化で生成するレブリン酸の高取得条件の検討:反応中間体である2-ヒドロキシメチルフルフラールの縮合反応を回避するため、酸濃度、反応温度、水の影響などを検討した結果、フルフラール類生成後に水を添加することが収率向上に有効であることを見出した。 3.ビニルアルコール-レブリン酸ビニル共重合体の合成とキャラクタリゼーション:レブリン酸利用の一環としてポリビニルアルコールのレブリン酸エステルの合成法にカルボジイミド法を適用した。レブリン酸の置換度化が異なる共重合体を自在に合成する目的で反応温度、触媒量、配合比などについて検討した。その結果、置換度が最高0.9までの共重合体を自由に合成する方法を確立した。得られた置換度の異なる種々の共重合体をdyad解析し、これらはランダムポリマーであることを証明した。また、示差熱分析からそれらのガラス転移温度はGordon-Taylor則に従うことを見出した。
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Research Products
(1 results)