2005 Fiscal Year Annual Research Report
強力な抗腫瘍活性を有するOSW-1をリード化合物とした新規抗癌剤の設計と合成
Project/Area Number |
15390004
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
根本 英雄 富山大学, 薬学部, 教授 (60006351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 裕二 富山大学, 薬学部, 助手 (50255858)
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Keywords | OSW-1 / 抗腫瘍活性 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
強力な抗腫瘍性ステロイドサポニン、OSW-1をリード化合物とした新規抗癌剤開発を目的として、昨年度までにアグリコン部を単純化したOSW-1類似化合物を設計、その合成を達成してきた。今年度は、これら単純化アグリコンの1つ、A-nor B-aromatic型アグリコンの改良合成研究を行い、オルトキノジメタンケミストリーを活用した新しい合成経路にて、著しい工程数の短縮と全収率の向上を達成することに成功した。今年度は更に、活性向上と毒性低減を目的とした配糖体部ジサッカライドの構造変換に着手し、天然のOSW-1とは異なる4種のジサッカライド、すなわち、フルオロ型、デオキシ型、デアシル型、および5員環型のジサッカライド化学合成に成功した。更に、これら4種のジサッカライドをA-aromatic型アグリコンに導入したOSW-1アナログの合成を達成し、それらの抗腫瘍活性試験を実施した。種々のヒト癌細胞を用いて活性調査を行ったところ、いずれのアナログ化合物も、臨床利用されている抗癌剤シスプラチンに匹敵する抗癌活性が認められた。今後これらの化合物を基盤とした新規抗癌剤創製に向けては、選択毒性の詳細な調査が必要であると考えられ、正常細胞に対する毒性試験を行っていく予定である。また、構造活性相関の考察を踏まえながら、更に有効性が高い誘導体の分子設計とその効率的合成法の確立、活性調査を繰り返すことで、医薬品として実用化され得るOSW-1アナログを探索していきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)