2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武田 敬 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30135032)
|
Keywords | 不斉転写 / エポキシシラン / エナンチオ選択的反応 / タンデム反応 / キラルエポキシド |
Research Abstract |
本研究の目的は,不斉源として入手容易なエポキシドのキラリティを,塩基によるエポキシドの開環そして連続的かつ協奏的な転位反応を経てカルバニオンに転写させた後,キラリティを保持した状態で求電子剤との反応を行い得るような,全く新規なコンセプトに基づくエナンチオ選択的反応の開発である. 本年度は,β-シリル-α,β-エポキシアルデヒドのO-シリルシアノヒドリンの4種のジアステレオマー(ラセミ体)を基質として,種々の求電子剤の存在下4種のアミド塩基(LDA, LiN(SiMe_3)_2,NaN(SiMe_3)_2,KN(SiMe_3)_2)との反応を体系的に検討し,(1)カウンターカチオンと,収率および原料-生成物間の立体化学との関係,(2)crown etherやHMPAなどの添加,溶媒の極性と生成物の立体化学的関係,(3)二つのシリル基の嵩高さと生成物のE/Z比との関係,を検討した.その結果,(1)生成物のE/Z比は溶媒の極性に大きく影響を受け,極性が低いほどZ体の生成比が上昇すること,(2)脱プロトン化/エポキシドの開環の過程の機構はプロトンがエポキシドのC-O結合とアンチペリプラナーの配座から塩基によって引き抜かれ,協奏的にエポキシドが開環するいわゆるアンチ脱離によって進行しており,また脱プロトン化の速度はシリル置換基が嵩高くなるにつれて遅くなること,(3)アルキル化前駆体であるアリルアニオンは非局在化せずニトリルのα位に局在化していること,が明らかになった.
|
Research Products
(1 results)