2003 Fiscal Year Annual Research Report
置換クエン酸不斉合成法の開発と創薬リード天然物の合成
Project/Area Number |
15390008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畑山 範 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20143000)
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Keywords | 置換クエン酸天然物 / 不斉Baylis-Hillman反応 / 不斉向山アルドール反応 / トラキスプ酸 / 全合成 |
Research Abstract |
ビリジオフンジン、シナトリン、トラキスプ酸などの長鎖アルキル置換クエン酸天然物は、セリンーパルミトイル転移酵素阻害、フォスフォリパーゼA2阻害、腫瘍細胞のヘパラナーゼ阻害、スクワレン合成酵素阻害等の強力且つ特異的な酵素阻害活性を有し、コレステロール低下薬や抗腫瘍剤等の医薬開発リードとして非常に大きな関心がもたれている。しかし、その共通単位である置換クエン酸構造の一般キラル合成法は未だ確立されておらず、4級不斉中心を含む高度に官能基化された置換クエン酸構造を高エナンチオ選択的に構築する方法論の開発は、有機合成化学ならびに創薬化学の観点から大きな意義をもつ。そこで、本年度は、触媒的不斉Baylis-Hillman反応と不斉向山アルドール反応に基づく置換クエン酸構造構築法について検討した。その結果、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ベンゾイルギ酸エチルとのβ-ICDを触媒とするヘキサフルオロイソプロピルアクリラートとの反応において、目的とする付加体が収率62-94%、エナンチオ選択性31-63%eeで生成することを見出した。これに引き続いて、本研究に実際に必要となるγ-アルコキシ-α-ケトブタン酸エステルの不斉Baylis-Hillman反応に関して検討したところ、70%ee程度のエナンチオ選択性で望む付加体が収率良く得られた。一方、(t-Bu-box)Cu(II)等のEvansの不斉触媒を用いるγ-(p-メトキシベンジル)-α-ケトブタン酸ブチルエステルの不斉向山アルドール反応に関しても検討した。その結果、酢酸チオエステルから合成したシリルケテンアセタールでは目的とするアルドール生成物が60%、97%eeで生成することを見出した。しかし、本研究に実際に必要なアリル置換したシリルケテンアセタールとの反応では、相当するアルドール生成物は全く得られず、さらに触媒等の詳細な検討が必要であることがわかった。さらに、以前ほぼ完成していたトラキスプ酸の合成法に改良を加え、ラセミ全合成を完了し、その相対配置を明確にした。
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Research Products
(1 results)