2003 Fiscal Year Annual Research Report
多次元顕微光学システムによる免疫・神経クロストークの薬学への展開
Project/Area Number |
15390017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中西 守 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90090472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 亮 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00344458)
古野 忠秀 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (80254308)
平嶋 尚英 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (10192296)
手島 玲子 国立医薬品食品衛生研究所, 機能生化学部, 室長 (50132882)
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Keywords | 免疫細胞 / 神経細胞 / クロストーク / 顕微光学法 / マスト細胞 / カルシウムイオン / カドヘリン / 細胞間相互作用 |
Research Abstract |
免疫学と神経科学の急速な進歩は、免疫系と神経系との間には密接な相互作用(クロストーク)が存在し、両者の相互作用により生体の恒常性が維持されていることが分かってきた。しかし、このような神経系と免疫系の相互作用については、適切な研究手段がなく、これまで詳細な解析がほとんどなされてこなかった。申請者らはこのような免疫系と神経系の相互作用(クロストーク)研究の突破口として、新生児マウスの神経節を神経成長因子(NGF)の存在下で初代培養する技術を確立するとともに、その初代培養神経細胞と免疫細胞(マスト細胞やリンパ球)を共存培養し、両者の細胞間で液性因子を介してクロストークが起こっていることを明らかにした。申請者らが確立した手法は免疫・神経連関を物理系薬学の立場から追究する有力な手段と考えられた。そこで、研究代表者らが開発したin vitro共存培養システムを基盤に顕微光学法により、末梢及び中枢での免疫・神経クロストークを多角的に機能解析を進め、その成果を薬学研究の発展・展開に結びつけようと試みた。このような視点からの研究はこれまで皆無であり、その研究成果は物理系薬学の進展に大きく寄与するだけでなく、薬学および医療の進展にも多大の貢献をなすと考えられた。具体的には、(1)神経節初代培養細胞と免疫細胞の共存培養(co-culture)システムの確立、(2)多次元顕微光学システムを用いた、免疫系と神経系のクロストークの機能解析を実施した。その結果、(1)神経細胞とマスト細胞の相互作用ではサブスタンスPが、(2)神経細胞とTリンパ球の相互作用では、ノルアドレナリンが液性因子として関与し、(3)活性化のシグナルは相互作用の局所部位でまず起こり、順次、細胞全体に広がっていることが明らかになった。また、(4)N-カドヘリンが両者の細胞間相互作用に強く関与していた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nakanish, M.: "New Strategy in Gene Transfection by Cationic Transfection Lipids with a Cationic Cholesterol"Curr.Med.Chem. 10. 1289-1296 (2003)
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[Publications] Noguchi, S., Hirashima, N., Furuno, T., Nakanishi, M.: "Remarkable induction of apoptosis in cancer cells by a novel cationic liposome comlexed with a bcl-2 antisense oligonucleotide"J Control Release. 7,88. 313-320 (2003)
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[Publications] Noguchi, S., Hirashima, N., Nakanishi, M.: "Asialoganglioside Enhances the Efficiency of Gone Transfection Mediated by Cationic Liposomes with a Cationic Cholesterol Derivative"Biol.Pharm.Bull. 26. 1306-1310 (2003)
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[Publications] Ohyama, N., Furuno, T., Hirashima, N., Nakanishi, M.: "The effects of ITIM-bearing FcgRIIB on the nuclear shuttling of MAP kinase in RBL-2H3 cells"Immunol.Lett.. 90. 173-176 (2003)
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[Publications] Kato, N., Nakanishi, M., Hirashima, N.: "Cholesterol depletion inhibits store-operated calcium currents and exocytotic membrane fusion in RBL-2H3 cells"Biochem.. 42,40. 11808-11814 (2003)
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[Publications] Inoh, Y., Kitamoto, D., Hirashima, N., Nakanishi, M.: "Biosurfactant MEL-A dramatically increases gene transfection via membrane fusion"J Control Release. 94,2-3. 423-431 (2004)
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[Publications] Tinoco, Sauer, Wang, Puglisi, 監訳・猪飼篤訳・櫻井実, 佐藤衛, 中西守, 伏見譲: "バイオサイエンスのための物理化学"東京化学同人. 488 (2004)