2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生関連因子産生制御による血管新生及び血管退縮の誘導についての研究
Project/Area Number |
15390020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平澤 典保 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80181155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 和雄 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20006357)
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Keywords | 血管新生 / Angiopoietin-1 / Angiopoietin-2 / Vascular endothelial growth factor / Endostatin / Histamine |
Research Abstract |
1.新生血管の退縮期の制御因子の産生 綿糸誘発増殖型炎症モデルにおいて、肉芽組織中の血管新生及び退縮の経時変化と、血管新生および退縮を制御する因子として、血管内皮増殖因子VEGF、新生血管の成熟に関与するangiopoietin-1、その生理的な拮抗蛋白質angiopoietin-2、及びVEGFの作用を抑制するendostatinの産生量の経時変化について比較検討した。綿糸の周囲に形成される肉芽組織重量、及び肉芽組織中のヘモグロビン量は、綿糸を移植してから7日後に最大となり、以後減少した。肉芽組織中のVEGF及びangiopoietin-1量は、7日目に最大になり、以後減少した。一方、angiopoietin-2及びendostatin量は14日目に一過性に増大した。したがって、新生血管の退縮が顕著な時期(綿糸移植後7〜14日)にangiopoietin-2及びendostatinの産生が亢進することが明らかになり、これらの因子が血管退縮に関与している可能性が示唆された。 2.炎症局所でのangiopoietin-1、angiopoietin-2及びendostatinの産生の制御機構 すでに、肉芽組織中の血管新生にはhistamineが関与していることを明らかにしている。そこで、血管退縮におけるhistamineの関与について解析した。綿糸を移植してから7〜14日目でみられる肉芽組織中のヘモグロビン量の低下、angiopoietin-2及びendostatinの産生の増加は、histidine decarboxylase欠損マウスにおいても野生型マウスと同様に生じ、血管退縮の過程にはhistamineの関与は小さいことが示唆された。また、綿糸移植後7日目から13日目まで、VEGFを綿糸移植部位近郊に注射したところ、14日後の肉芽組織中のangiopoietin-1量が増大し、angiopoietin-2及びendostatin量が低下した。これらの結果から、VEGF量により血管新生及び血管退縮に関わる因子の産生が制御されていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)