2003 Fiscal Year Annual Research Report
多環芳香族炭化水素受容体を介した内分泌撹乱物質の毒性発現機構の解析
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15390040
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 浩史 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30191274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌滝 哲也 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00009177)
藤枝 正輝 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00344474)
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Keywords | CYP1B1 / CYP1A1 / ダイオキシン / 個人差 |
Research Abstract |
ダイオキシン類や多環芳香族炭化水素類(PAH)に曝露された培養リンパ球ではaryl hydrocarbon hydroxylase(AHH)活性が上昇し,その誘導能は大きく三群に分かれること,さらにAHH活性の高誘導能群では肺がんリスクが有意に高いことが報告されている.また,ダイオキシン類やPAH類に曝露されたリンパ球ではCYP1A1およびCYP1B1などのCYP1ファミリーが顕著に誘導されることが知られている.これまで,CYP1ファミリーのなかでもCYP1A1はAHH活性の本体であると考えられてきた.AHH活性の誘導能との関連からCYP1ファミリーの誘導能を検討することはダイオキシン類などのがん原物質に対する個人の感受性を評価する上で重要であると考えられる.しかし,ダイオキシン類の曝露が実際にどの程度個体に生体応答を引き起こしているかを定量的に評価する方法は確立されていない.そこで本研究では,ヒトにおけるダイオキシン類曝露による生体応答をCYP1ファミリーを中心として定量的に評価できる方法を確立することを目的とした. 血中ダイオキシン濃度が既知である日本人72名の血液検体よりtotal RNAを抽出し,定量的RT-PCRを行った.塩基配列解析法は直接塩基配列決定法を用いた.全検体より抽出したtotal RNAより定量的RT-PCRを行い,血球中おけるCYP1A1 mRNAおよびCYP1B1 mRNAの発現を検討したところCYP1B1 mRNAはほぼ全ての検体において発現が認められたのに対してCYP1A1は検出限界以下であった.さらに,血中ダイオキシン濃度とCYP1B1 mRNAの発現量との相関を検討したところ,その誘導能には個人差が存在し三群に分類されることが明らかとなった.これらのことより血球中におけるAHH活性の本体はCYP1A1ではなくCYP1B1である可能性が示唆された.さらに,CYP1B1 mRNAの発現量の個人差に影響を与える原因を解明するため全検体のゲノムを用いてCYP1B1遺伝子の5'-上流約-5kから3'-UTRまでの塩基配列を解析した.その結果,CYP1B1 mRNAの発現量と有意に相関する変異は存在しなかった.現在,CYP1B1 mRNAの発現量の個人差に影響を与える他の要因について検討している
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Toide K, Yamazaki H, et al.: "Aryl hydrocarbon hydroxylase represents CYP1B1, and not CYP1A1, in human freshly isolated white cells"Cancer Epidem Biomarker Prev. 12. 219-222 (2003)
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[Publications] Toide K, Yamazaki H, Kamataki T: "Reply : Correspondence re : K.Toide et al."Cancer Epidem Biomarker Prev. 12. 1118 (2003)
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[Publications] Saito T, et al.: "Novel nonsynonymous polymorphisms of the CYP1A1 gene in Japanese"Drug Metab Pharmacokin. 18. 218-221 (2003)
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[Publications] Yamaori S, Yamazaki H, et al.: "Effects of cytochrome b5 on drug oxidation activities of human cytochrome P450 (CYP) 3As"Biochem Pharmacol. 66. 2333-2340 (2003)
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[Publications] Takeuchi H, et al.: "Pretreatment with 8-methoxypsoralen, a potent human CYP2A6 inhibitor, strongly inhibits lung tumorigenesis induced by 4-(methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone in female A/J mice"Cancer Res. 63. 7571-7583 (2003)
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[Publications] Kiyotani K, Yamazaki H, et al.: "Decreased coumarin 7-hydroxylase activities and CYP2A6 expression levels in humans caused by genetic polymorphism in CYP2A6 promoter region(CYP2A6*9)"Pharmacogenetics. 13. 689-695 (2003)
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[Publications] 山崎浩文, 藤枝正輝, 鎌滝哲也: "「分子予防環境医学」薬物・外来異物に対する生体の代謝機構"本の泉社,分子予防環境医学研究会編. 20 (2003)