2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインノックアウトや病態モデルマウスの薬毒物・防御応答反応機構の解明
Project/Area Number |
15390041
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉田 武美 昭和大学, 薬学部, 教授 (20138415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼澤 聡 昭和大学, 薬学部, 助教授 (80180686)
田中 佐知子 昭和大学, 薬学部, 講師 (00197419)
芦野 隆 昭和大学, 薬学部, 助手 (00338534)
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Keywords | シトクロムP450 / サイトカイン / リポポリサッカライド / HTLV-I Tgマウス / ヘムオキシゲナーゼ-1 / コカイン / CYP2B / CAR |
Research Abstract |
本研究は、病態下における薬物代謝酵素シトクロムP450の変動要因および防御的酸化ストレス応答タンパク質ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)誘導と生体防御応答機構を解明する目的で、炎症性サイトカインに焦点をあて検討を行った。インターロイキン(IL)-1、IL-6、腫瘍壊死因子(TNF)αの各遺伝子欠損(KO)マウスを用い、Bacillus Calmette-Guerin投与による急性期炎症応答状態下でのCYP3A11とCYP2C29遺伝子発現の下方制御は、IL-6とTNFαが重要な役割を果たしていることを解明した。また慢性炎症性疾患の一つある関節リウマチのモデル(HTLV-I Tg)マウスでもCYP3A11とCYP2B9の遺伝子発現の減少を明らかにした。リポポリサッカライド(LPS)によるコカイン誘発肝障害増悪は炎症性サイトカインによるものと考え、同様にサイトカインKOマウスによる検討を行ったところ、野生型マウスにおいて肝障害を誘発しない用量のコカイン(50mg/kg)に対してもLPSを併用することにより、著明な肝障害を誘発した。一方、IL-6KOマウスとTNFαKOマウスではLPSによるコカイン誘発肝障害の増悪は見られなかったことから、コカイン誘発肝障害の増悪にはIL6とTNFαが関与していることが示唆された。また同時にコカインによるHO-1の誘導も明らかにした。CYP2Bの誘導には核内受容体constitutive androstane receptor (CAR)の核内移行が関与するが、肝臓がん状態ではCYP2Bの誘導が減弱する。本研究では肝臓がんモデルをマウスおよびラットで作成することにより、肝臓がんにおけるCYP2B誘導減弱機構にCARの核内移行障害の関与を明らかとした。また、本研究課題との関連でHO-1誘導機構としてのNrf2とBach1の機能を解明した。
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Research Products
(2 results)