2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜ミクロドメインやオルガネラ間における糖輸送体動態の分子細胞形態学的解析
Project/Area Number |
15390053
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高田 邦昭 群馬大学, 医学系研究科, 教授 (20129290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 治夫 群馬大学, 医学系研究科, 助教授 (80189464)
青木 武生 群馬大学, 医学系研究科, 講師 (70150919)
松崎 利行 群馬大学, 医学系研究科, 助手 (30334113)
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Keywords | 水チャネル / 糖輸送体 / 蛍光抗体法 / オルガネラ / コンパートメント / インスリン / GLUT4 / アクアポリン2 |
Research Abstract |
糖輸送体GLUT4はインスリン刺激により細胞内プールから細胞膜へと移行し細胞膜の糖輸送活性をあげることにより、血糖値の調節に重要な役割をはたしている。しかしながらインスリン刺激によって細胞膜へと移行するGLUT4は細胞内に貯蔵されているもののごく一部であり、形態学的解析にあたって大きな障害になっている。一方、腎臓の集合管主細胞に発現している水チャネル蛋白の一つであるアクアポリン2は、バソプレシン刺激により細胞内プールから細胞膜へと移行し細胞膜の水透過性をあげている。このようにアクアポリン2は細胞内プールから細胞膜へと移行する膜蛋白の良いモデルとなる。そこで、アクアポリン2の細胞膜や細胞内コンパートメントにおける存在様式、特にラフトを中心とする膜ミクロドメインとの関係について検討を加えた。アクアポリン2はトライトンX100不溶性分画にありラフトに存在するのが示唆された。カベオリン1との免疫染色ではほとんど共局在しなかったが、フォルスコリン刺激により共存が観察された。D-PDMPでグルコシルセラミド合成を阻害し、ラフトの成分を枯渇させると、フォルスコリン刺激による細胞内アクアポリン2の細胞膜への移行が阻害された。同様に、メチル-ベータ-シクロデキストリン処理により細胞膜からコレステロールを除去したり、ナイスタチンによりコレステロールミクロドメインを壊すと、アクアポリン2の細胞膜への移行が阻止された。一方でクロロプロマジン処理ではアクアポリン2の細胞膜への移行には影響がみられなかった。以上の結果は、アクアポリン2の細胞膜へのトランスロケーションにおいて膜のミクロドメイン構造が重要であることを示している。
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Research Products
(5 results)