2005 Fiscal Year Annual Research Report
ファゴサイトーシスとマクロパイノサイトーシスの機械的分子機構とシグナル伝達
Project/Area Number |
15390056
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
荒木 伸一 香川大学, 医学部, 助教授 (10202748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多江 種宣 香川大学, 医学部, 教授 (40037388)
浜崎 正雄 香川大学, 医学部, 助手 (70098903)
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Keywords | ファゴサイトーシス / マクロパイノサイトーシス / シグナル伝達 / ホスホイノシチド / 細胞骨格 / バイオイメージング / マクロファージ / 上皮系細胞 |
Research Abstract |
ヒト上皮系細胞株A431細胞に、上皮成長因子(EGF)を添加すると、顕著な細胞表層ラッフル運動が誘起され、それに続くラッフルの変形からマクロパイノゾーム形成がおこる。本研究では、ラッフル運動とマクロパイノゾーム形成を制御するシグナル伝達系を解明する目的で、脂質シグナル分子であるPI(4,5)P2とPI(3,4,5)P3に着目し、GFP変異体融合PH domain発現系を用いて、生きた細胞でのシグナル動態解析を行った。 PI(4,5)P2に結合するYFP-PLC-PH domainまたはPI(3,4,5)P3に結合するYFP-Akt-PH domainと膜移行性CFPをA431細胞に共発現させ、バイオイメージングによりlive cellの蛍光顕微鏡画像取得を行った。YFP/CFP ratioを画像演算により求め、PIPsの膜内濃度変化として動画解析した。 PI(4,5)P2は、EGF添加後膜ラッフルに高濃度に存在し、マクロパイノゾーム形成時には減少する。一方、PI(3,4,5)P3の膜内濃度はマクロパイノゾーム形成時にその部位で局所的に増加し、2,3分以内に減少、消失した。このことは、ラッフルが変形してマクロパイノゾームを形成されるさいにPI(4,5)P2がPI3kinaseによりリン酸化され、PI(3,4,5)P3が生成されることを示唆している。これに一致して、PI3kinase阻害剤LY294002で細胞を処理すると、PI(3,4,5)P3濃度の局所的上昇が起こらず、マクロパイノゾーム形成も抑制された。 以上のことから、PI(4,5)P2の減少変化によるactin cytoskeletonの制御とPI(3,4,5)P3の局所的一過性上昇によるシグナルがマクロパイノゾーム形成に必須であることが考えられる。
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Research Products
(4 results)