2006 Fiscal Year Annual Research Report
ファゴサイトーシスとマクロパイノサイトーシスの機械的分子機構とシグナル伝達
Project/Area Number |
15390056
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
荒木 伸一 香川大学, 医学部, 助教授 (10202748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多江 種宣 香川大学, 医学部, 教授 (40037388)
江上 洋平 香川大学, 医学部, 助手 (80432780)
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Keywords | ファゴサイトーシス / マクロパイノサイトーシ / シグナル伝達 / ホスホイノシチド / 細胞骨格 / 分子機構 / イメージング |
Research Abstract |
ファゴサイトーシスおよびマクロパイノサイトーシス過程におけるアクチン細胞骨格の再編成と膜輸送は、多種のアクチン結合蛋白質、ミオシン、EEA1などの機械的分子とホスホイノシチド、Rho family GTPaseなどのシグナル伝達分子により複雑な制御を受けていると考えられる。本研究の目的は、シグナル分子と機械分子の時間空間的リンクを解析し、ファゴサイトーシスとマクロパイノサイトーシスのシグナル伝達系による制御メカニズムを解明することである。本年度は、PI(4,5)P2,PI(3,4,5)P3、PI(3)Pなどのホスホイノシチドと特異的に結合するPLC, Akt、BtkのPH domainとFYVE domainのYFP融合キメラをA431細胞に発現させ、EGF刺激で誘導されるマクロパイノサイトーシス過程での局所的PIs濃度変化を生きた細胞内で蛍光顕微鏡観察、イメージングした。PI(4,5)P2は、カップ状の偽足伸展部位に多く見られ、マクロパイノゾームとして細胞内に入るとたちまち消失した。一方、PI(3,4,5)P3はPI(4,5)P2より少し遅れてカップ状偽足の細胞膜にあらわれ、カップがマクロパイノゾームとして閉鎖するときにピークになりその後徐々に減少していくことが判った。PI(3)Pは、マクロパイノゾーム形成2,3分後に現れ、30分以上局在していた。このように、PI(4,5)P2の濃度変化は、アクチン線維の挙動と時間空間的に一致し、PI(4,5)P2の減少とPI(3,4,5)P3の産生はマクロパイノゾームの閉鎖に一致するようである。また、PI(3)Pは、形成後のマクロパイノゾーム融合に関わることが示唆された。このように、PIsの代謝は、アクチン細胞骨格や膜輸送、融合を時空間的に制御し、マクロパイノサイトーシスの過程を巧妙に制御していることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)