2005 Fiscal Year Annual Research Report
精子形成細胞アポトーシスのミトコンドリアによる分子制御機構
Project/Area Number |
15390058
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小路 武彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30170179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱川 善隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60304276)
江島 邦彰 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 客員研究員 (30309984)
和泉 伸一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (40264246)
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Keywords | 精子形成細胞 / アポトーシス / ミトコンドリア / Bax / チトクロームC / 電気穿孔法 / 環境ホルモン / 初代培養 |
Research Abstract |
受精に伴う生命プログラムの初期化を理解する上で、生殖細胞特有の頻回なアポトーシス誘導からの回避機構の解明が必要であると思われる。特に体細胞分裂を繰り返す精粗細胞及び減数分裂を行う精母細胞ではアポトーシス頻度は高く、その誘導にはミトコンドリア関連蛋白であるBaxやチトクロームCの細胞内再配置の関与が強く示唆されている。本研究では、正常及びエストロゲン様内分泌攪乱物質投与による障害マウス精巣を用いてBax及び関連蛋白の細胞内動態を検討し、アポトーシス誘導制御とミトコンドリアとの機能的及び地理的関係を明らかにすることを目的とした。本年度は、DES及びBPA等を皮下投与した障害マウスモデルを解析し、DESで顕著に誘導されるstage XI-XIIでのアポトーシスにはBax並びにFasが関与するが、BPAではアポトーシスの頻度よりもそれが起こる分化段階の変化をBax依存的に誘起する事が判明し攪乱物質による作用機構の違いが見い出された。一方、成熟及び新生仔精巣にpEYFP-Mitoを遺伝子導入後、共焦点レーザー顕微鏡で詳細に検討したところ、アポトーシス細胞ではYEP、Bax及びチトクロームCは細胞質全体に認められたが他のミトコンドリアマーカーであるSP-22の局在とは一致しなかった。この結果は、アポトーシス誘導に際しミトコンドリアそれ自体の局在は変化せず、特定の蛋白がミトコンドリアに局在出来なくなることを示しており、それらの調節にエストロゲン受容体の関与が示唆された。更に精子細胞ではYEP発現が認められず、ミトコンドリアによる遺伝子産物の取捨選択性が細胞死や分化の制御機構の一端を担うことが示唆された。更にin vitroでの検討を行うため培養条件の検討を行い、数週まで維持可能な条件も見い出したが、feeder layerとして用いるSertoli細胞の質によって生殖細胞の動態は大きく影響を受け再現性が得られないため、今後有効な細胞株の選択が必要であることが判明した。
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Research Products
(6 results)