2003 Fiscal Year Annual Research Report
胃プロトンポンプとCLC-5塩素イオンチャネルの分子会合による新規生理機能の解明
Project/Area Number |
15390062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
酒井 秀紀 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (60242509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹口 紀晃 富山医科薬科大学, 副学長 (00019126)
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Keywords | 胃酸分泌細胞 / 塩素イオン / 胃プロトンポンプ / イオンチャネル / CLC-5 / 分子会合 / 細管小胞 / 酵素活性 |
Research Abstract |
本研究では、胃酸分泌細胞のCLC-5塩素イオンチャネルの研究を、生化学的および分子生理学的アプローチにより行い、以下のような興味深い新規知見を得た。 1.ウサギ胃粘膜切片に対して免疫組織二重染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、胃酸分泌細胞において、胃プロトンポンプの分布パターンとCLC-5の分布パターンは、重なることがわかった。一方、CLC-5の分布パターンとNa^+,K^+-ArPaseの分布パターンは明らかに異なっていた。したがってCLC-5タンパク質は、分泌膜および細管小胞に発現しているものと考えられた。 2.胃プロトンボンプに富むブタ胃細管小胞に、CLC-5タンパク質が発現していることを見出した。胃細管小胞膜サンプルの分別遠心を行うと、CLC-5の分布のピークは胃プロトンポンプのピークと一致することがわかった。さらに、可溶化した胃細管小胞サンプルを、抗胃プロトンポンプ抗体で免疫沈降した後で、抗CLC-5抗体でウエスタンブロットを行ったところ、CLC-5のシグナルが検出できた。この結果からCLC-5は、胃プロトンポンプと分子会合していることが示唆された。 3.胃プロトンポンプ(αおよびβサブユニット)を安定発現させたHEK293細胞に、ラットCLC-5を強制発現させた。CLC-5の発現により、胃プロトンポンプの発現量はほとんど変化しなかったが、プロトンポンプのATP加水分解活性(酵素活性)は有意に上昇した。 以上の結果から、CLC-5は、胃プロトンポンプと分子会合し、プロトンポンプの酵素活性を修飾しているものと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hideki Sakai, Yuta Ohira, Akiko Tanaka, et al.: "Inhibition of small-conductance CI^- channels by the interleukin-1β-stimulated production of superoxide in rabbit gastric parietal cells"Journal of Physiology (London). 551巻1号. 207-217 (2003)
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[Publications] Hideki Sakai, Takaoki Uchiumi, Tomoyuki Suzuki. et al.: "Cyclic AMP-dependent CI^- secretion induced by thromboxane A_2 in isolated rat colonic mucosa"Journal of Physiology (London). 555巻. C142 (2004)
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[Publications] Hideki Sakai, Takaoki Uciumi, Jung-Bum Lee, et al.: "Leukotrienes-mediated effects of water extracts from Sargassum horneri, a marine brown alga, on CI^- absorption in isolated rat colon"Japanese Journal of Physiology. 54巻1号. 71-77 (2004)
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[Publications] Hideki Sakal, Tomoyuki Suzuki, Mizuki Maeda, et al.: "Up-regulation of Na^+,K^+-ATPase α3-isoform and down-regulation of the α1 -isoform in human colorectal cancer"FEBS Letters. (In press). (2004)