2005 Fiscal Year Annual Research Report
炎症・神経損傷モデルにおける寒冷による疼痛増悪の末梢性機構の解析
Project/Area Number |
15390070
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 純 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (00235350)
小崎 康子 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (20126882)
片野坂 公明 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50335006)
|
Keywords | 痛み受容器 / ATP / ノルアドレナリン / 抑制 / 熱反応 / 筋C線維受容器 / 伸張性収縮 / 機械痛覚過敏 |
Research Abstract |
ニューロパチーのあるものは交感神経活動の増大によって痛みが増悪することが知られている。そこで、交感神経末端から放出されるノルアドレナリンの効果を調べたところ、ノルアドレナリンは正常動物のC線維受容器の熱反応を抑制することが明らかになった。神経損傷状態や炎症状態ではノルアドレナリンにより熱反応の促進が見られるのと対照的であった。交感神経終末からノルアドレナリンとともに放出されるATPも正常動物では熱反応を抑制するので(昨年度報告)、正常動物では交感神経興奮状態では末梢においてノルアドレナリンとATPにより痛み受容器の活動が抑制され、痛みが感じられにくくなっていることが推測された。正常動物と神経損傷動物との間のノルアドレナリン反応の違いがどのような機構で生じているのかについては今後の研究の課題である。また痛覚過敏の新たなモデルとして、ラットの長指伸筋に伸張性収縮を負荷して遅発性筋痛モデル動物を作成し、機械痛覚過敏の存在をRandall-Selitto法を用いた逃避閾値測定と、脊髄後角におけるc-Fos発現を指標として明らかにしているが、この動物で痛覚過敏状態にある筋からの細径線維受容器活動を取り出し標本で調べたところ、機械刺激に対する反応閾値が低下し、反応の大きさが増大していることがわかった。ATP、ブラジキニン、酸、熱、冷却に対する反応性に変化は見られなかった。多くのモデルでは、機械刺激に対する反応性だけでなく熱に対する反応性も増大しているので、このモデルは機械刺激に対する反応性のみ変化している大変特異なモデルであることがわかった。
|
Research Products
(6 results)