2005 Fiscal Year Annual Research Report
運動時の心循環調節中枢コマンドの発生機構:脳幹ドパミン系との関連
Project/Area Number |
15390073
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松川 寛二 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (90165788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 潤 広島大学, 大学院・保健学研究科, 助手 (00304428)
川真田 聖一 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (30127641)
松本 昌康 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20192346)
郡山 達男 広島大学, 病院・講師 (80195693)
原田 俊英 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (60181020)
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Keywords | 運動 / 心循環調節 / 中枢コマンド / 自立神経活動 / 中脳 / 腹側被蓋野 / ドパミン細胞 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
日常活動に応じて心拍出量,動脈血圧や血流量を最適制御するためには,心筋や血管平滑筋の収縮弛緩に伴なう大きな時間遅れを見込み予測的な心循環調節を行うことが重要である。この調節機構として中枢コマンドによるFeedforward制御が考えられるが,その発生源・神経回路網・反射系との干渉などは"Black-box"として未解決のまま残されていた。中脳腹側被蓋野(VTA)のドパミン細胞群は心臓循環調節を担う中枢コマンドの発生機構に関係するか否かを調べる目的で,動物を用いた基礎的研究ならびに健常者,特発型および遺伝性若年発症型パーキンソン病患者を用いた臨床的研究を以下のとおり実施した。 1.VTA領域は中枢コマンドの発生機構に関連するという作業仮説を検証するため,意識ネコおよび高位除脳ネコのVTA領域を破壊し自発歩行運動時にみられる心循環応答に及ぼす影響を調べた。その結果,自発運動開始時にみられる心拍数および毎分心拍出量の増加はVTA破壊後に減弱した。 2.年齢構成を一致させた健常者そして特発型および遺伝性若年発症型パーキンソン病患者を用いて,3種類の自発運動(静的ハンドグリップ運動,歩行運動そして座位から立位への姿勢変換)に対する心循環応答を比較した。自発運動時にみられる動脈血圧,心拍数,毎分心拍出量,一回心拍出量および末梢血管抵抗を計測した。その結果,特発型パーキンソン病患者の心拍数および毎分心拍出量の応答は健常者に比べて減弱し,遺伝性若年発症型パーキンソン病患者の応答は両群の間に位置した。特発型パーキンソン病患者では中脳ドパミン細胞は広範囲に変性するが若年発症型パーキンソン病患者ではVTA領域のドパミン神経細胞の変性は少ないことが報告されているので,以上の結果は中脳腹側被蓋野のドパミン細胞群が心臓循環調節を担う中枢コマンドの発生機構に関係するという研究仮説を支持した。
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Research Products
(4 results)