2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物を用いた心筋細胞Kir6.1チャネルの病態生理的役割の解析
Project/Area Number |
15390078
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中谷 晴昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60113594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60244159)
小倉 武彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00292673)
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Keywords | ATP感受性K^+チャネル / Kir6.1 / Kir6.2 / 心筋細胞 / 遺伝子改変動物 |
Research Abstract |
心筋細胞膜に存在するATP感受性K^+ (K_<ATP>)チャネルはKir6.2というポア部分とSUR2Aという付属蛋白から形成されるとされている。しかしながら、心筋にもKir6.1というポア形成蛋白が存在するが、その生理学的意義は不明である。 本研究はKir6.1遺伝子欠損(KO)マウスおよびKir6.1遺伝子を心筋に過剰発現(TG)させたマウスを用い、その機能的意義を明らかにしようとした。野生型、Kir6.1TGマウスから心臓を摘出しランゲンドルフ灌流を行い、灌流を25分停止した後再灌流を行い、梗塞巣を測定すると共に左室機能を検討した。野生型に比し、Kir6.1TGマウスの心臓において梗塞のサイズは小さく、再灌流後の機能回復も良かった。また、Kir6.1TGマウスの摘出灌流標本において活動電位幅は対象時にやや広かったが、虚血時にはWTマウスの摘出標本と同様に短縮した。酵素的に単離した心室筋細胞にナイスタチンを用いたパッチクランプ法を適用し、細胞内環境を変えずに代謝阻害薬に暴露した際にも、Kir6.1TGマウス心室筋細胞は対象時にはやや長めの活動電位幅を示したが代謝阻害によって活動電位幅は短縮した。また、単離心筋細胞を低浸透圧液に暴露した時の細胞容積の増加はKir6.2欠損(KO)マウスあるいはKir6.1欠損(KO)マウスから単離した心室筋細胞では増強し、Kir6.1TGマウス心室筋細胞では減弱していた。このような電気生理学的特性変化および容積調節機能変化の詳細な機序は未だ不明であり、現在検討継続中であるが、心筋細胞に発現するKir6.1は細胞容積調節にも寄与して心筋保護機構に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(11 results)