2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会に要求される排尿反射強化薬の開発を指向した排尿反射の中枢機序の解明
Project/Area Number |
15390082
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高濱 和夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80150548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 英明 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90106906)
副田 二三夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10336216)
白崎 哲哉 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (30264047)
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Keywords | 排尿反射 / グリシン / 単一ニューロン活動 / 排尿関連電位 / パッチクランプ法 / 脳梗塞モデル / Fos蛋白質 / デキストロメトルファン |
Research Abstract |
1.排尿中枢として近年注日されている中脳水道中心灰白質(PAG)とその周囲から微小電極法により2種類の排尿反射関連ニューロン活動を記録した。一つは排尿期に発火が増加し(Type I)、他方は排尿期に発火が減少した(Type II)。Type I、Type IIともに、ブレグマより-8000〜-8300μmの領域から多く記録され、Type IはPAGの腹側に、Type IIは背側に多い可能性が示された。 2.ブレグマより-7500〜-9100μmの腹外側PAGと背内側PAGよりニューロンを急性単離し、グリシン応答を検討した。検討した74個全てのニューロンでグリシン誘発電流が観察された。腹外側PAGニューロンにおけるグリシン誘発電流の電気生理学的・薬理学的特性は、脊髄その他で報告されているものとほぼ同じであった。また、グリシンとGABAの電流比(I_<Gly>/I_<GABA>)はほぼ1であり、その比はニューロンの形態(錐体細胞、双極細胞、多極性細胞)に依存しなかった。 3.無麻酔の中大脳動脈(MCA)梗塞モデル動物において、膀胱容量、排尿閾値、尿流率および膀胱コンプライアンスの減少、排尿潜時の短縮と尿道抵抗の増加が、梗塞後24時間以上持続することを明らかにした。この時、PAGおよびLDT領域のグリシン受容体α1サブユニットの発現は変化しなかった。ストリキニーネはMCA梗塞による変化に影響を与えなかった。デキストロメトルファン(DM)は脳梗塞体積に影響しなかったが、梗塞24時間後の投与で膀胱容量と排尿潜時を改善した。 4.膀胱内酢酸注入により、内側視索上核、PAG、バリントン核、腰仙髄の後角、副交感神経核などを含む多くの脊髄・脳幹部でFos蛋白質の発現が見られ、ストリキニーネおよびデキストロメトルファンがPAGやバリントン核など脊髄および脳幹の排尿関連核でFos蛋白質の発現を抑制した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shirasaki T: "δ-Opioid receptor antagonists inhibit GIRK channel currents in acutely dissociated brainstem neurons of rat."Brain Research. (in press).
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[Publications] Yamamoto G: "Ameliorating effects of dextromethorphan (DM) and cloperastine (CP) on over active bladder (OAB) caused by cerebral infarction (CI) in conscious rats."Journal of Pharmacological Sciences. 94(Suppl.I). 113 (2004)
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[Publications] Shiozuka M: "Glycine responsiveness of neurons in periaqueductal gray (PAG), a micturition center in rat."Journal of Pharmacological Sciences. 94(Supp1.I). 228 (2004)