2005 Fiscal Year Annual Research Report
病態時の血管・リンパ管新生を制御する液性・神経性因子の解析と分子標的治療への応用
Project/Area Number |
15390084
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 教授 (70181641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 道子 北里大学, 医学部, 助手 (00154104)
畑中 公 北里大学, 医学部, 助手 (00228470)
藤田 朋恵 北里大学, 医学部, 助手 (20296510)
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Keywords | 血管新生 / 知覚神経 / カプサイシン / スポンジ移植 / 後根神経節 / CGRP / CGRP拮抗薬 / 腫瘍増殖 |
Research Abstract |
血管新生に対する知覚神経の関与を検討した。(1)1側の知覚神経後根神経節(L4,5)遠位端を切除、(2)カプサイシンによる化学的除神経、(3)神経ペプチドCGRP受容体アンタゴニスト持続投与により、知覚神経をブロックし、その支配領域にスポンジを移植する、あるいはLLC細胞を移植し、sham手術群、vehicle投与群と比較検討した。 スポンジ肉芽組織における新生血管を評価したところ、1側の知覚神経後根神経節(L4,5)遠位端を切除し、侵害刺激に対する逃避行動の消失したSDラットの臀部に移植したスポンジでは、反対側のsham手術群の移植スポンジに比べ有意に血管新生が抑制された。さらに新生児期に過量のカプサイシンを皮下投与したラットに移植したスポンジではvehicle投与群に比べ血管新生が有意に抑制された。 同様の処置をC57BL/6マウスに行い、LLC細胞を接種したところ、知覚神経後根神経節(L4,5)遠位端を切除したマウスに移植したLLC腫瘍の増殖は、sham手術群のそれに比べ有意に抑制された。カプサイシン皮下投与したマウスでもvehicle投与群に比べ腫瘍増殖が有意に抑制された。ミニ浸透圧ポンプで背部皮下にCGRP拮抗薬CGRP-(8-37)を持続投与したマウスに、投与部位に一致するようにLLC細胞を接種すると、vehicle投与群に比べ有意に腫瘍増殖が抑制された。 以上より、知覚神経の神経ペプチドCGRPが血管新生、腫瘍増殖を増強する役割を持つことが明らかにできた。 本実験は、特殊な技術を要するため、同技術に習熟した人物に協力してもらっている。このための謝金の支出が当初予定より大幅に増えた。なお、消耗品購入に関しては教室重点研究テーマにもなっているため、大学の通常の研究費を充填して研究を遂行できた。
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Research Products
(7 results)