2004 Fiscal Year Annual Research Report
受容体エンドサイトーシスによるWntシグナル活性化の制御機構
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15390094
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菊池 章 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10204827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 昭世 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50274064)
山本 英樹 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20372691)
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Keywords | Wnt / エンドサイトーシス / 脂質修飾 / 糖質修飾 / Frizzled / LRP / ダイナミン / β-カテニン |
Research Abstract |
Wntとその受容体のエンドサイトーシスの分子機構を明らかにすると共に受容体エンドサイトーシスとWntシグナル伝達経路の活性制御との関連を明らかにすることを目的として、本年度は下記の成果を得た。 (1)conditioned medium 1Lから約50〜60μgのWnt-3aとWnt-5aを単一蛋白質として精製できるようになった。Wnt-5aはWnt-3a依存性のTcf活性化を抑制したが、β-カテニンの安定化には影響しなかった。この抑制作用には蛋白質リン酸化酵素NLKが関与していた。Wnt-11を含むconditioned mediumの作製にも成功してWnt-11蛋白質の精製が可能になった。 (2)Wnt-3aとWnt-5a共に脂質修飾と糖質修飾を受けており、糖質修飾はWnt-3aとWnt-5aの分泌に必要であるが、分泌後はその作用に必要ではないことが明らかになった。脂質修飾はWnt-3aとWnt-5aの分泌に必須ではなかった。 (3)Wnt-3aは受容体のFrizzled5とLRP6のエンドサイトーシスを誘導した。細胞膜上に存在したFrizzled5とLRP6はWnt-3a刺激により、30分〜60分で細胞質に認められ、180分経つと再び細胞膜上に出現した。受容体のエンドサイトーシスを抑制する。ダイナミンK44AはWnt-3a依存性のβ-カテニンの蓄積を抑制した。また、クラスリンまたはカベオリンをRNAi法によりノックダウンすると、Wnt-3a依存性のβ-カテニンの蓄積が抑制された。すなわち、Wnt-3a依存性の受容体のエンドサイトーシスにはクラスリンまたはカベオリン依存性の経路があり、両経路ともβ-カテニンの安定化に重要であることが明らかになった。
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Research Products
(12 results)