2004 Fiscal Year Annual Research Report
構造転写因子Bachの遺伝子回路による血液細胞分化制御
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15390095
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
五十嵐 和彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00250738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 聡 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20243610)
武藤 哲彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80343292)
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Keywords | グロビン / 赤血球 / Bリンパ球 / 酸化ストレス / 転写因子 / クロマチン / ヒストン |
Research Abstract |
15-16年度の研究で明らかにしたことの要点は以下の通りである。 1.転写因子Bach1はグロビン遺伝子のlocus control regionやヘムオキシゲナーゼ(HO)-1遺伝子のエンハンサーに結合し,転写を抑制する。その際,クロマチン構造の活性化状態を保ったまま転写を抑制する。 2.ヘムはBach1に結合し,そのグロビンLCRやHO-1エンハンサーからの解離,さらには活性化因子(NF-E2p45やNrf2など)との置換を促進する。 3.Bach1はヘムで活性化される核外排出シグナルを有する。 4.Bach1は,細胞質微小管蛋白質IHABPと直接結合することにより細胞質に貯留する。 5.Bach1ノックアウトマウスでは血管平滑筋細胞の増殖応答や動脈硬化が野性型マウスに比べ低下している。 6.Bach2はBリンパ球分化の後半,特に形質細胞への最終分化過程で重要な役割を担う。 7.Bach2は抗体遺伝子のクラススイッチDNA組み換え,および体細胞突然変異導入に必要とされる。 8.Bach2は核内構造体の一つであるPMLボディーに集積し,同部位における転写反応を選択的に抑制する。 以上の結果から,ヘムによるBach1の活性制御機構ならびに細胞骨格との相互作用がさらに明らかになった。また,ヘム代謝と遺伝子発現とがBach1を介して共役することも明確になった。すなわち,赤芽球分化過程におけるヘムによるグロビン遺伝子の活性化,そして酸化ストレス応答におけるヘムによる細胞防御酵素HO-1の活性化である。一方,Bach2についても,とうとう生理的機能を明確に示すことができた。この成果はBリンパ球-形質細胞の遺伝子プログラムの実体を解明していく上で大きなブレークスルーと考えている。また,このBach2が機能する上でPMLボディーとの相互作用が重要であることも示唆された。
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Research Products
(4 results)