2005 Fiscal Year Annual Research Report
1分子イメージング画像システムによる糖尿病でのインスリン開口放出不全機構の解明
Project/Area Number |
15390108
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 教授 (80231489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 美佳 杏林大学, 医学部, 講師 (40201941)
渡邊 卓 杏林大学, 医学部, 教授 (00191768)
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Keywords | インスリン / TIRFM / 開口放出 / 1分子イメージング / 膵β細胞 / 糖尿病 / インスリン分泌 |
Research Abstract |
(1)SUR(sulfonylurea receptor)-1ノックアウトマウスを用いた解析-SUR-1は、KATPチャネルにcouplingしており、SUR-1に糖尿病治療薬が結合、KATPチャネルを閉鎖することにより、インスリン分泌が促進される。SUR1は、インスリン分泌をmodulateする重要なエレメントであり、SUR1-KOマウスでは糖尿病が発症する。本研究では、SUR1-KOマウスにおけるインスリン顆粒の動態について、TIRFシステムを用いて詳細に検討した。SUR1KOβ細胞の形質膜に結合しているインスリン顆粒数は正常と変化なく、t-SNARE蛋白質のクラスター数も変化がなかった。高濃度グルコース刺激にて膜に結合している顆粒のfusionがみられたが、細胞内から移動してきた顆粒のfusionは見られず、むしろ顆粒の細胞内への移動が見られた。一方、KC1刺激に於いては、著明な顆粒のfusionがみられたが、その中の多くは細胞内か移動してきた顆粒のfusionであった。SUR1 KOβ細胞で観察されたこれらの現象は、形質膜における膜電位の異常がKOβ細胞の特徴であることが示唆された。 (2)ヒト2型糖尿病モデルラット(GKラット)を用いた解析-GKラットにおけるインスリン分泌パターンは、ヒト2型糖尿病患者と同様、第1相分泌が著明に低下している。TIRF法を用いた解析により、GKラットβ細胞の形質膜に結合しているインスリン顆粒数は正常の約1/3にまで減少、これと並行して、syntaxin 1A、SNAP-25のクラスター数も半分以下に減少していた。インスリン投与によりGKラットの血糖値を正常化すると、局在しているSNAREクラスターの数は正常レベルまでに回復した。これに伴い、インスリン分泌第1相を形成している膜に結合しているインスリン顆粒の数、及びそのfusionも回復してきた。すなわち、2型糖尿病ではt-SNAREクラスターの減少→膜結合インスリン顆粒数の減少→fusionの低下といった構図が考えられた。
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Research Products
(7 results)