2003 Fiscal Year Annual Research Report
p53依存性アポトーシスの機序解明とそのがん治療法開発への応用
Project/Area Number |
15390110
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
荒川 博文 国立がんセンター, 研究所・生物物理部, 部長 (70313088)
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Keywords | がん抑制遺伝子 / p53 / アポトーシス / 遺伝子治療 / アデノウイルス / がん治療 / 転写因子 / 標的遺伝子 |
Research Abstract |
がん抑制遺伝子p53は、ほぼすべてのがんの半数以上に変異の認められる遺伝子であり、配列特異的な転写因子をコードしている。従って、その標的遺伝子の転写活性化を通してその機能を発揮する。その機能の中でもアポトーシス制御が最も重要と考えられている。新規p53標的遺伝子p53RDL1はネトリンレセプターをコードし、ネトリン非存在下にはアポトーシスを誘導するが、リガンドであるネトリン存在下には細胞生存のためのシグナルを伝達する。これによってp53依存性アポトーシスを正と負に制御する全く新しい分子であることを報告した。また、アポトーシス誘導活性優位な変異体として知られるp53-121Fによって特異的に発現誘導され、弾力なアポトーシス誘導活性を持つSTAG1を報告した。さらに、アポトーシス制御に関わる標的遺伝子として知られるp53AIP1をアデノウイルスベクターに組み込み、ヌードマウスに作成した皮下腫瘍モデルに導入することで、in vivoにおける抗腫瘍効果を評価した。結果として、p53耐性がんに対する顕著な抗腫瘍効果を認めた。p53アポトーシス経路の活性化には適切なp53蛋白質の修飾(リン酸化・アセチル化など)が必要と考えられ、p53遺伝子治療におけるp53遺伝子導入が、必ずしも癌治療のために期待されたアポトーシス誘導を誘導することが出来ない可能性がある。p53を用いた治療に於いては、効果的な癌増殖抑制作用を発揮させるために、p53依存性アポトーシス経路を特異的に活性化するp53の修飾型を癌細胞に導入することや、p53依存性アポトーシス経路の実行分子であるp53AIP1遺伝子やp53RDL1遺伝子の導入を考慮する必要があると思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Anazawa, Y. et al.: "Identification of STAG1 as a key mediator of p53-dependent apoptotic pathway."Oncogene. (in press). (2004)
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[Publications] Yoshida, K. et al.: "Adenovirus-mediated p53AIP1 gene transfer as a new strategy for treatment of p53-resistant tumors."Cancer Science. 95・1. 91-97 (2004)
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[Publications] Kimura, T, et al.: "Impaired function of p53R2 in Rrm2b-null mice causes severe renal failure through attenuation of dNTP pools."Nature Genetics. 34・4. 440-445 (2003)
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[Publications] Ng, C.C.et al.: "p53RFP, a p53-inducible RING-finger protein, regulates the stability of p21(WAF1)."Oncogene. 22・28. 4449-4458 (2003)
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[Publications] Kimura, T. et al.: "hCDC4b, a regulator of cyclin E, as a direct transcriptional target of p53."Cancer Science. 94・5. 431-436 (2003)
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[Publications] Tanikawa, C. et al.: "p53RDL1 regulates p53-dependent apoptotis."Nature Cell Biology. 5・3. 216-223 (2003)