2005 Fiscal Year Annual Research Report
胆管粘膜でのToll-like receptorの発現とその制御異常
Project/Area Number |
15390114
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中沼 安二 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (10115256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 素子 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70225895)
原田 憲一 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (30283112)
佐藤 保則 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30324073)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / 培養 / 自然免疫 / 微生物 / トル様受容体 / 胆管系 / シグナル伝達 / 生体防御 |
Research Abstract |
胆管系疾患の病態形成へのToll様受容体(TLR)の関与を、人体材料(肝胆管組織)およびヒト培養胆管細胞を用い、以下の結果を得た。 (1)ヒト胆管細胞は機能的なTLR1〜TLR6を発現していることを示した。また、Th1型サイトカインであるIFN-γが胆管細胞でのTLR発現亢進とリガンド(pathogen-associated molecular pattern,PAMPs)に対する感受性も亢進させた。Th1環境への偏位が見られるPBCの胆管では自然免疫が亢進し、胆管病変の病態形成に関与していると考えられた。 (2)PBCの障害胆管では、Th1環境に起因する抗炎症因子ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)γの発現低下が見られ、自然免疫を負に制御する機構が減弱していることを示唆した。また、自然免疫の亢進を背景に発生するPBCの胆管炎をPPARγリガンドで制御・抑制できる基礎的データを得た。 (3)Th1型サイトカインやPAMPs刺激で胆管細胞からのフラクタルカイン(ケモカインの一種)産生誘導を明らかにし、PBC胆管周囲への炎症細胞浸潤にTh1環境や自然免疫が関与していることを示唆した。 (4)胆管上皮層内の浸潤炎症細胞の解析を行った結果、ユニークな細胞集団であるCD4+CD28-細胞がPBCの胆管病変形成に重要であることを示した。 (5)TLRリガンド刺激により胆管細胞での抗アポトーシス因子(Bcl-2,Bcl-2-related protein A1)の発現亢進が見られ、自然免疫によるアポトーシス制御機構の存在を示唆した。さらに詳細なシグナル伝達の解析を遂行中である。
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Research Products
(4 results)