2004 Fiscal Year Annual Research Report
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15390121
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Research Institution | Aichi Cancer Center |
Principal Investigator |
立松 正衞 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 副所長兼部長 (70117836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 徹哉 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 室長 (00236861)
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Keywords | 細胞分化 / 胃腸混合型腸上皮化生 / Sox2 / Cdx1 / Cdx2 / human defensin-5 / 転写因子 |
Research Abstract |
胃がん組織にて,胃あるいは腸特異的転写因子群と形質発現との関係を検討した。Real-time RT-PCRと免疫染色にて,胃転写因子Sox2は胃の形質発現(MUC5AC)と強い相関関係があり,一方,腸転写因子Cdx1/2は腸の形質発現(MUC2とVillin)と密接に関係していた。これらは,正常消化管と腸上皮化生だけでなく胃がん組織でも形質発現に重要であることが示された。直径3ミリ以内の微小粘膜内がんとその隣接非がん粘膜の検討では,胃型あるいは腸型への分化傾向に一定の相関が認められず,胃がんとその周囲の胃粘膜は独立に腸型化が進むことを明らかにした。 パネート細胞に特異的なマーカーHuman defensin-5(HD-5)の発現を胃がんで検索した。HD-5陽性胃がん細胞は、腸型形質を示す胃がん細胞集団の中に存在し、一部は小腸の陰窩様の構造を成していた。HD-5発現はCdx2発現と密接に関連していたが、胃がんの組織型とは無関係であった。以上より、胃がんのパネート細胞様分化は、腸型形質の一部として発現しており、胃がんの腸型化の過程で出現すると考えられた。 胃腸混合型腸上皮化生(gastric-and-intestinal-mixed intestinal metaplasia, GI-IM)では,胃と腸の粘膜上皮の形質発現が腺管レベルで混在することが知られている。今回は,GI-IM腺管内の単一細胞レベルでの胃と腸の形質発現を胃(MUC5AC)および腸のマーカー(MUC2,villin, CD10)の重染色にて検討した。この結果,GI-IMの粘膜上皮細胞では,胃と腸のマーカーの共発現が単一細胞レベルで確認され、幹細胞レベルでの分化異常であると考えられた。
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Research Products
(5 results)