2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390123
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
内木 宏延 福井大学, 医学部, 教授 (10227704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 一浩 福井大学, 医学部, 助手 (60324159)
樋口 京一 信州大学, 医学部, 教授 (20173156)
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Keywords | 透析アミロイド症 / β2-ミクログロブリン / アミロイド線維形成反応 / ドデシル硫酸ナトリウム / 変性中間体 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
わが国における20万人以上の透析患者の内、多くが透析アミロイドーシスを発症するが、その病態解明、及び治療法の開発が急務となっている。われわれは、試験管透析アミロイド線維形成反応系を駆使し反応機構を解析し、また生体分子及び種々の有機化合物が線維形成に及ぼす影響を解析して来た。本研究では試験管レベル並びに開発中の透析アミロイドーシスのトランスジェニックマウスモデルを用いて(1)β2-ミクログロブリン(β2-m)からのアミロイド線維形成過程を解明すること、(2)種々の生体分子の線維形成・分解過程への影響を解析し発症の分子基盤を解明すること、(3)線維形成・分解過程を修飾する治療薬を探索することが目的である。 本年度は以下の成果を得た。(1)β2-mアミロイド線維(fAβ2M)の試験管内伸長において従来は酸性条件下で伸長反応を行ってきたが、昨年度、中性pHにおいてトリフルオロエタノールが線維伸長作用を有し、ヘパリンなどがこれを促進することを示した。本年度は、より生体条件に近い伸長促進因子を探索した結果、生体界面活性物質アナログと考えられるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を臨界ミセル濃度程度(0.2-1.0mM)になるように添加すると、中性pHでfAβ2M伸長効果を有することを見出した。この濃度領域のSDSはβ2-mの立体構造を部分的に変化させていること、線維構造を安定化すること、SDSの陰性荷電が伸長促進効果に必須であることを解明した。(2)生体内においてSDSと同様の効果を有する界面活性物質の探索を行うため、極性基と脂肪酸鎖長の異なるリン脂質を系統的に蒐集し、これらを用いて線維伸長活性測定を行っている。(3)ヒトβ2-mトランスジェニックマウス作成には成功し、現在、透析アミロイド症に類似した組織病変が生じることを解析している。
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Research Products
(17 results)